“燧鉄”の読み方と例文
読み方割合
うちがね100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼等は黒い哥薩克帽を片下りにかぶつて、櫂の先きで、燧鉄うちがねから散る火花のやうな飛沫を四方へ跳ねあげてゐる。
すると幼児をさなごは大尉が革紐に吊つてゐた、銀象嵌入りの赤い煙管とピカピカ光る燧鉄うちがねの入つた巾着を見て、いたいけな両手をさしのべて、にこにこと笑つた。
祖父はふと、燧鉄うちがねも煙草も用意をせずに出かけて来たことを思ひ出して、市場の中をぶらぶら歩き出した。ところが、ものの二十歩も進んだかと思ふと、ばつたりザポロージェ人に出会つた。