“孩児”のいろいろな読み方と例文
旧字:孩兒
読み方割合
がいじ20.0%
がき12.0%
あかご12.0%
やや12.0%
ややこ8.0%
あかんぼ8.0%
ねゝっこ4.0%
おさなご4.0%
こども4.0%
ねねっこ4.0%
ねんねえ4.0%
みどりご4.0%
をさなご4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そういう新しい人間としてはわれわれはまだほんの孩児がいじのようなものである。したがって期待されるものはニュース映画の将来である。
ニュース映画と新聞記事 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
下世話げせわに、犬は貰われる時お子様方はお幾たりと尋ねるが猫は孩児がきは何匹だとくという通りに、猫は犬と違って児供にいじられるのをうるさがるものだが
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
一本のマングローブの下で、果ものを主食の朝餐ちょうさんが進行した。レモンの汁をかけたパパイヤの果肉は、乳の香がやや酸㾱さんぱいした孩児あかごほおに触れるような、やわらかさとにおいがあった。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
自分が縫った「孩児ややさんの赤い布団」まで並べて待っている様子なので、近所の者はトテモ気味悪がっている。
空を飛ぶパラソル (新字新仮名) / 夢野久作(著)
堕胎おろされた孩児ややこというのは、取りも直さずお前の兄さんで、お前の代りに家倉いえくらを貰う身柄であったのを、闇から闇に落されたわけで
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
お蔭で学者は細君にぴどく叱り飛ばされてしまつた。無理はない、どんな学者の事業だつて、女の生む「孩児あかんぼ」に比べると、ほんの無益物やくざものに過ぎないのだから。
婆「へいー左様そうかねえ、孩児ねゝっこの時そんな疵うでかしちゃアおっんでしまうだねえ、どうして癒ったかねえ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
母親からは父親は順吉が孩児おさなごの頃に死んだように聞かされていた。けれども順吉は母親に連れられて、父親の墓参りなどしたことは一度もなかった。順吉の姓は母親の姓なのである。
夕張の宿 (新字新仮名) / 小山清(著)
「ドーモまだ孩児こどもで……」と主婦が云った。この悲しげな微笑はいまだに忘れる事が出来ない。
雪ちゃん (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
或日万作潮来へ網糸買いに往って、おそく帰って来たが、「それ土産だ」とふところから取出したのを見ると、当歳とうさいの美しい女の子だ。「どうしたんべい、此の孩児ねねっこは」
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
大きくはなるけれど、まだ一向に孩児ねんねえで、垣の根方ねがたに大きな穴を掘って見たり、下駄を片足門外もんそとくわえ出したり、其様そんな悪戯いたずらばかりして喜んでいる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
孩児みどりごの四肢のすがたを示現する。
夜の讃歌 (新字旧仮名) / 富永太郎(著)
孩児をさなごの手ざはりのごとき
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)