夜の讃歌よるのさんか
地は定形なく曠空くして黒暗淵の面にあり 神の霊水の面を覆ひたりき ——創世記 黒暗の潮今満ちて 晦冥の夜ともなれば 仮構の万象そが閡性を失し 解体の喜びに酔ひ痴れて 心をのゝき 渾沌の母の胸へと帰入する。 窓外の膚白き一樹は 扉漏る赤き灯に …