“和毛”の読み方と例文
読み方割合
にこげ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こまかい和毛にこげの黒いのが一杯に掩うて太陽に面して立った時は、嘘でも御まけでもなく、顔から陽炎かげろうが、ゆらめきのぼって居る様に見える。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
まわりの毛が棉の木についている棉花のようなフワフワした和毛にこげなので、ちょうど孵ったばかりの烏の子供の頭のようだ。
葡萄蔓の束 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
だから冬から春への推移だって、鳥屋の前で金糸鳥かなりや和毛にこげにそそぐ日の光を二三秒立留って眺めて面白いと思っただけであった。忙しいことがむしろ面白かった。
風景 (新字旧仮名) / 原民喜(著)