孩児ややこ)” の例文
旧字:孩兒
堕胎おろされた孩児ややこというのは、取りも直さずお前の兄さんで、お前の代りに家倉いえくらを貰う身柄であったのを、闇から闇に落されたわけで
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
多分この事はお前の両親も知っていたろうと思われる証拠には……ソレ……その孩児ややこを埋めた土の上がわざっとたきぎ置場にしてあったじゃろう。
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「お前が転びでもすると私が敬吾に申訳けがない。孩児ややこの着物も私が縫うてやるけに、成るだけ無理をせんようにしなさい。その代りキット男の子を生みなさいよ」
空を飛ぶパラソル (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そこで拙僧わしは望み通りに、真言秘密の御祈祷をしてやって、出て来た孩児ややこはこれこれの処に埋めなさい……とまで指図をしておいたが……それがソレ……その骨じゃ。
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)