穉子おさなご)” の例文
「ええ、存じています。あの衝当つきあたりにあるのが摂津国屋の墓でございます。」抱かれている穉子おさなごはわたくしを見て、しきりに笑っておどり上がった。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
男、おみな穉子おさなご等を嘲み笑はんとす。
たちま穉子おさなごの笑う声がしたので、わたくしは振り向いて見た。顔容かおかたちの美くしい女が子を抱いてたたずんで、わたくしの墓表の文字を読んで歩くのを見ていた。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
楽しき平和を低く囁き、穉子おさなご
そのさま巨勢が共に行くべきを、つゆ疑はずとおぼし。巨勢はただ母に引かるる穉子おさなごの如く従ひゆきぬ。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
穉子おさなごがここにいたのだ。