南紀の熊野川で、はじめて鮎の友釣りを試みたのは、昭和十五年の六月初旬であった。そのときは、死んだ釣友の佐藤惣之助と老俳優の上山草人と行を共にしたのである。 私らは、那智山に詣でた。那智の滝の上の東側の丸い山を掩う新緑は、眼ざめるばかり鮮やか …
著者 | 佐藤垢石 |
ジャンル | 芸術・美術 > スポーツ・体育 > 釣魚 遊猟 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
初出 | 「続たぬき汁」星書房、1946(昭和21)年 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約30分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約50分(300文字/分) |