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用事
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ようじ
ふりがな文庫
“
用事
(
ようじ
)” の例文
ちょうどそのとき、
中津
(
なかつ
)
からくろがね
屋
(
や
)
惣兵衛
(
そうべえ
)
という
商人
(
しょうにん
)
が
長崎
(
ながさき
)
にきていて、
用事
(
ようじ
)
がすんだので、
中津
(
なかつ
)
へかえることになっていました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
その
後
(
ご
)
、
用事
(
ようじ
)
があって
床屋
(
とこや
)
のおじいさんがつえをついてそこを
通
(
とお
)
りかかりましたときに、
真
(
ま
)
っ
黒
(
くろ
)
な
石
(
いし
)
を
見
(
み
)
つけて
拾
(
ひろ
)
い
上
(
あ
)
げました。
てかてか頭の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「これは
申
(
もう
)
し上げられませぬ。てまえのかってな
用事
(
ようじ
)
をたしにでかけたのです。どうもほかの
時刻
(
じこく
)
では、つごうがわるいものですから。」
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
物言
(
ものい
)
ふは
用事
(
ようじ
)
のある
時
(
とき
)
慳貪
(
けんどん
)
に
申
(
まをし
)
つけられるばかり、
朝起
(
あさおき
)
まして
機嫌
(
きげん
)
をきけば
不圖
(
ふと
)
脇
(
わき
)
を
向
(
む
)
ひて
庭
(
には
)
の
草花
(
くさばな
)
を
態
(
わざ
)
とらしき
褒
(
ほ
)
め
詞
(
ことば
)
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
他
(
ほか
)
に
別段
(
べつだん
)
用事
(
ようじ
)
もなかつたので、
大方
(
おほかた
)
終
(
しま
)
ひには
何
(
なに
)
か
良
(
い
)
い
事
(
こと
)
を
話
(
はな
)
して
呉
(
く
)
れるだらうと
思
(
おも
)
つて
悠然
(
ゆつくり
)
待
(
ま
)
つてゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
其
(
その
)
日曜
(
にちえう
)
に
彼
(
かれ
)
は
又
(
また
)
安井
(
やすゐ
)
を
訪
(
と
)
ふた。それは
二人
(
ふたり
)
の
關係
(
くわんけい
)
してゐる
或
(
ある
)
會
(
くわい
)
に
就
(
つい
)
て
用事
(
ようじ
)
が
起
(
おこ
)
つたためで、
女
(
をんな
)
とは
全
(
まつた
)
く
縁故
(
えんこ
)
のない
動機
(
どうき
)
から
出
(
で
)
た
淡泊
(
たんぱく
)
な
訪問
(
はうもん
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ところがある日、
和尚
(
おしょう
)
さんは、
用事
(
ようじ
)
があって
外
(
そと
)
へ出て行きました。出て行きがけに、
和尚
(
おしょう
)
さんは
小僧
(
こぞう
)
にいいつけて
和尚さんと小僧
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
或時
(
あるとき
)
六
月
(
がつ
)
の
末
(
すえ
)
、ドクトル、ハバトフは、
院長
(
いんちょう
)
に
用事
(
ようじ
)
があって、その
室
(
へや
)
に
行
(
い
)
った
所
(
ところ
)
、おらぬので
庭
(
にわ
)
へと
探
(
さが
)
しに
出
(
で
)
た。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「きっと、またあそびにむちゅうになって、
用事
(
ようじ
)
をわすれちまったんだな。しょうのないやつらめ。」
七羽のカラス
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
だって、
格別
(
かくべつ
)
用事
(
ようじ
)
もないのに、
折角
(
せっかく
)
私達
(
わたくしたち
)
が
咲
(
さ
)
かした
花
(
はな
)
を
枝
(
えだ
)
ごと
折
(
お
)
ったり、
何
(
なに
)
かするのですもの……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
坪井博士
(
つぼゐはかせ
)
は、
正午過
(
しやうごす
)
ぎ、
用事
(
ようじ
)
の
爲
(
ため
)
、
歸京
(
ききやう
)
されたので、
後
(
あと
)
を
大野助手
(
おほのぢよしゆ
)
が
主任
(
しゆにん
)
で
監督
(
かんとく
)
して
居
(
ゐ
)
ると、
午後
(
ごご
)
二
時頃
(
じごろ
)
に
至
(
いた
)
つて、
船町倉次郎
(
ふなまちくらじらう
)
受持
(
うけもち
)
の
山麓
(
さんろく
)
から、
多數
(
たすう
)
の
圓石
(
まるいし
)
を
發見
(
はつけん
)
した。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
何
(
なん
)
の
用事
(
ようじ
)
があつて
國清寺
(
こくせいじ
)
へ
往
(
ゆ
)
くかと
云
(
い
)
ふと、それには
因縁
(
いんねん
)
がある。
閭
(
りよ
)
が
長安
(
ちやうあん
)
で
主簿
(
しゆぼ
)
の
任命
(
にんめい
)
を
受
(
う
)
けて、これから
任地
(
にんち
)
へ
旅立
(
たびだ
)
たうとした
時
(
とき
)
、
生憎
(
あいにく
)
こらへられぬ
程
(
ほど
)
の
頭痛
(
づつう
)
が
起
(
おこ
)
つた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「おこのがまた、
白壁町
(
しろかべちょう
)
さんへ、どのような
用事
(
ようじ
)
で
行
(
い
)
ったのじゃ。
早
(
はよ
)
う
聞
(
き
)
かせ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
或年
雲飛
(
うんぴ
)
用事
(
ようじ
)
ありて外出したひまに、
小偸人
(
こぬすびと
)
が
入
(
はひ
)
つて石を
竊
(
ぬす
)
んで
了
(
しま
)
つた。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
證據となし
敵
(
かたき
)
と
覘
(
ねら
)
ふは必定なりと思ひ日頃より用心
堅固
(
けんご
)
にして身を
戒愼
(
つゝしみ
)
居たりしが此日重四郎に
用事
(
ようじ
)
有
(
あつ
)
て
隣家
(
となり
)
迄
來掛
(
きかゝ
)
りし所重四郎が
宅
(
たく
)
にて
囂々
(
がや/\
)
と人聲なすゆゑ何事やらんと
竊
(
ひそ
)
かに身を
潜
(
ひそ
)
め内の樣子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
用事
(
ようじ
)
は
何
(
なん
)
です。」
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
おじいさんは、
自分
(
じぶん
)
の
用事
(
ようじ
)
のことを
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
しました。そして、また
自分
(
じぶん
)
のゆくところをたずねて、
町
(
まち
)
の
中
(
なか
)
をうろついていました。
雪の上のおじいさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其夜
(
そのよ
)
は
床
(
とこ
)
に
入
(
い
)
りしかども、さりとは
肝癪
(
かんしやく
)
のやる
瀬
(
せ
)
なく、よしや
如何
(
いか
)
なる
用事
(
ようじ
)
ありとても、
我
(
わ
)
れなき
留守
(
るす
)
に
無斷
(
むだん
)
の
外出
(
ぐわいしつ
)
、
殊更
(
ことさら
)
家内
(
かない
)
あけ
放
(
はな
)
しにして
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さいわいなことに、
兄
(
にい
)
さんが、
役所
(
やくしょ
)
の
用事
(
ようじ
)
で
長崎
(
ながさき
)
へでかけることになったので、
諭吉
(
ゆきち
)
もいっしょにいくことになりました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
或時
(
あるとき
)
六
月
(
ぐわつ
)
の
末
(
すゑ
)
、ドクトル、ハヾトフは、
院長
(
ゐんちやう
)
に
用事
(
ようじ
)
が
有
(
あ
)
つて、
其室
(
そのへや
)
に
行
(
い
)
つた
所
(
ところ
)
、
居
(
を
)
らぬので
庭
(
には
)
へと
探
(
さが
)
しに
出
(
で
)
た。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
今迄
(
いままで
)
もよく
法螺
(
ほら
)
を
吹
(
ふ
)
いて
私
(
わたくし
)
を
欺
(
だま
)
したもんです。それに
今度
(
こんど
)
東京
(
とうきやう
)
へ
出
(
で
)
て
來
(
き
)
た
用事
(
ようじ
)
と
云
(
い
)
ふのが
餘
(
よ
)
つ
程
(
ぽど
)
妙
(
めう
)
です。
何
(
なん
)
とか
云
(
い
)
ふ
蒙古王
(
もうこわう
)
のために、
金
(
かね
)
を二
萬圓
(
まんゑん
)
許
(
ばかり
)
借
(
か
)
りたい。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ある日
和尚
(
おしょう
)
さんは
用事
(
ようじ
)
があって
町
(
まち
)
へ行った
帰
(
かえ
)
りに、一
軒
(
けん
)
の
道具屋
(
どうぐや
)
で、
気
(
き
)
に
入
(
い
)
った
形
(
かたち
)
の
茶
(
ちゃ
)
がまを
見
(
み
)
つけました。
和尚
(
おしょう
)
さんはさっそくそれを
買
(
か
)
って
帰
(
かえ
)
って、
自分
(
じぶん
)
のお
部屋
(
へや
)
に
飾
(
かざ
)
って
文福茶がま
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「
堪忍
(
かんにん
)
しておくんなさい。あたしゃ
内所
(
ないしょ
)
の
用事
(
ようじ
)
でござんすから。……」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
脾腹
(
ひばら
)
へ
突込
(
つゝこみ
)
ぐつと一
剌
(
ゑぐ
)
りゑぐりし時重四郎は
荼比所
(
だびしよ
)
の
火影
(
ひかげ
)
に
顏
(
かほ
)
見逢
(
みあは
)
せヤア三五郎か重四郎殿
好機
(
しつくり
)
參つて
重疊々々
(
ちようでふ/\
)
扨此樣子は
先刻
(
さつき
)
用事
(
ようじ
)
有
(
あつ
)
て貴殿の宅へ參りし所何か人聲がする故樣子有んと
窺
(
うかゞ
)
へば金兵衞が
子分共
(
こぶんども
)
我を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「だれかね。なんの
用事
(
ようじ
)
だね。」
天国へいった仕立屋さん
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
東京
(
とうきょう
)
は、
雪
(
ゆき
)
は、あまりないが、
冬
(
ふゆ
)
は
風
(
かぜ
)
が
寒
(
さむ
)
いと
聞
(
き
)
いている。
外
(
そと
)
へ
用事
(
ようじ
)
に
出
(
で
)
かけるのにも、えり
巻
(
ま
)
きがなくてはならないだろう。
赤いえり巻き
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
でも、お
母
(
かあ
)
さんに、ほんとうのことをはなしたら
心配
(
しんぱい
)
するので、きゅうな
用事
(
ようじ
)
ができたことにして、
見物
(
けんぶつ
)
をやめ、いそいで
東京
(
とうきょう
)
にかえりました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
お
間違
(
まちが
)
ひやら
何
(
なに
)
やら
私等
(
わたしら
)
の
知
(
し
)
る
事
(
こと
)
ならねど
只
(
たゞ
)
お
客
(
きやく
)
さまの
仰
(
おほ
)
せには
今
(
いま
)
の
車夫
(
しやふ
)
に
用事
(
ようじ
)
がある
足
(
あし
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ある
時
(
とき
)
おとうさんは、よんどころない
用事
(
ようじ
)
が
出来
(
でき
)
て、
京都
(
きょうと
)
へ
上
(
のぼ
)
ることになりました。
松山鏡
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
立て奧へ入しが
暫
(
しばら
)
く
有
(
あり
)
て出來り兩人に
向
(
むか
)
ひ御口上の
趣
(
おもむ
)
き上へ
伺
(
うかゞ
)
ひしに
御意
(
ぎよい
)
には町奉行の役宅は
非人
(
ひにん
)
科人
(
とがにん
)
の出入致し
穢
(
けがら
)
はしき場所の
由
(
よし
)
左樣の
不淨
(
ふじやう
)
なる屋敷へは予は參る身ならず
用事
(
ようじ
)
と
有
(
あら
)
ば日向守殿に此方へ來られよとの
御意
(
ぎよい
)
なれば
此段
(
このだん
)
日向守殿へ
御達
(
おんたつ
)
し下されと
言捨
(
いひすて
)
て奧へぞ入たり兩人は
手持無沙汰
(
てもちぶさた
)
據
(
よんど
)
ころなく
立歸
(
たちかへ
)
り右の次第を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
私
(
わたし
)
は、
遊
(
あそ
)
びに
町
(
まち
)
へ
出
(
で
)
たのでない。
早
(
はや
)
く
用事
(
ようじ
)
をすまして、
暗
(
くら
)
くならないうちに、
村
(
むら
)
まで
帰
(
かえ
)
らなければならぬ。」と、おじいさんは
思
(
おも
)
いました。
雪の上のおじいさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それで
猿
(
さる
)
の
生
(
い
)
き
肝
(
ぎも
)
というものを
上
(
あ
)
げなければ、とても
助
(
たす
)
かる
見込
(
みこ
)
みがないというので、わたしがお
前
(
まえ
)
さんを
誘
(
さそ
)
い
出
(
だ
)
しに
来
(
き
)
たのさ。だからかんじんの
用事
(
ようじ
)
というのは
生
(
い
)
き
肝
(
ぎも
)
なんですよ。
くらげのお使い
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
荷物
(
にもつ
)
は
通運便
(
つううんびん
)
にて
先
(
さき
)
へたゝせたれば
殘
(
のこ
)
るは
身
(
み
)
一つに
輕〻
(
かる/″\
)
しき
桂次
(
けいじ
)
、
今日
(
けふ
)
も
明日
(
あす
)
もと
友達
(
ともだち
)
のもとを
馳
(
は
)
せめぐりて
何
(
なに
)
やらん
用事
(
ようじ
)
はあるものなり、
僅
(
わづ
)
かなる
人目
(
ひとめ
)
の
暇
(
ひま
)
を
求
(
もと
)
めてお
縫
(
ぬひ
)
が
袂
(
たもと
)
をひかえ
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「なんで、あの
子
(
こ
)
は
泣
(
な
)
いているのだろう。」と、おじいさんは
思
(
おも
)
いました。けれど、おじいさんは、
用事
(
ようじ
)
を
急
(
いそ
)
いでいました。
雪の上のおじいさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
埒
(
らち
)
もなく
万年青
(
おもと
)
の
葉
(
は
)
あらひ、さては
芝生
(
しばふ
)
を
這
(
は
)
つて
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
を
拾
(
ひろ
)
ふ
姿
(
すがた
)
、
我
(
われ
)
ながら
見
(
み
)
られた
体
(
てい
)
でなく、これを
萬一
(
もし
)
も
學友
(
とも
)
などに
見
(
み
)
つけられなばと、
心
(
こヽろ
)
笹原
(
さヽはら
)
をはしりて、
門外
(
もんぐわい
)
の
用事
(
ようじ
)
を
兎角
(
とかく
)
に
厭
(
いと
)
へば
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「だってその
生
(
い
)
き
肝
(
ぎも
)
がいちばんかんじんな
用事
(
ようじ
)
なのだから。」
くらげのお使い
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
まだほかにいろいろ
珍
(
めずら
)
しいものや、
私
(
わたし
)
たちには
用事
(
ようじ
)
のない、
名
(
な
)
の
知
(
し
)
らないようなものがいたるところにあるということです。
ちょうと怒濤
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
を
越
(
こ
)
して
大奧
(
おほおく
)
にも
高
(
たか
)
く、お
約束
(
やくそく
)
の
聟君
(
むこぎみ
)
洋行中
(
やうかうちう
)
にて、
寐覺
(
ねざめ
)
を
寫眞
(
しやしん
)
に
物
(
もの
)
がたる
總領
(
そうりやう
)
の
令孃
(
ひめ
)
さへ、
垣根
(
かきね
)
の
櫻
(
さくら
)
折
(
を
)
れかし
吾助
(
ごすけ
)
、いさヽかの
用事
(
ようじ
)
にて
大層
(
たいそう
)
らしく、
御褒美
(
ごはうび
)
に
賜
(
たま
)
はる
菓子
(
くわし
)
の
花紅葉
(
はなもみぢ
)
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
場末
(
ばすえ
)
の
町
(
まち
)
に
住
(
す
)
んでいるのだけれど、
用事
(
ようじ
)
があって、こちらの
知
(
し
)
った
人
(
ひと
)
のところへやってきますと、その
人
(
ひと
)
の
家
(
うち
)
で、
展覧会
(
てんらんかい
)
のある
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
きました。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お
峯
(
みね
)
が
主
(
しゆう
)
は
白金
(
しろかね
)
の
臺町
(
だいまち
)
に
貸長屋
(
かしながや
)
の百
軒
(
けん
)
も
持
(
も
)
ちて、あがり
物
(
もの
)
ばかりに
常
(
じやう
)
綺羅
(
きら
)
美々
(
びゝ
)
しく、
我
(
わ
)
れ一
度
(
ど
)
お
峯
(
みね
)
への
用事
(
ようじ
)
ありて
門
(
かど
)
まで
行
(
ゆ
)
きしが、千
兩
(
りやう
)
にては
出來
(
でき
)
まじき
土藏
(
どざう
)
の
普請
(
ふしん
)
、
羨
(
うら
)
やましき
富貴
(
ふうき
)
と
見
(
み
)
たりし
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「きっと、
用事
(
ようじ
)
があってこられなくなったんでしょう。また
来年
(
らいねん
)
会
(
あ
)
われますよ。」と、お
母
(
かあ
)
さんは、おっしゃいました。
海へ帰るおじさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
花
(
はな
)
の
下
(
した
)
ふむ
露
(
つゆ
)
のあした
双
(
なら
)
ぶる
翅
(
つばさ
)
の
胡蝶
(
こてふ
)
うらやましく
用事
(
ようじ
)
にかこつけて
折々
(
をり/\
)
の
訪
(
とひ
)
おとづれに
餘所
(
よそ
)
ながら
見
(
み
)
る
花
(
はな
)
の
面
(
おもて
)
わが
物
(
もの
)
ながら
許
(
ゆる
)
されぬ
一重垣
(
ひとへがき
)
にしみ/″\とは
物
(
もの
)
言交
(
いひかは
)
すひまもなく
兎角
(
とかく
)
うらめしき
月日
(
つきひ
)
なり
隙行
(
ひまゆ
)
く
駒
(
こま
)
に
形
(
かたち
)
もあらば
我
(
わ
)
れ
手綱
(
たづな
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
雪
(
ゆき
)
が
見
(
み
)
えて、また
来年
(
らいねん
)
ともなって、
木々
(
きぎ
)
のこずえに
新
(
あたら
)
しい
緑
(
みどり
)
が
萌
(
きざ
)
し、
小鳥
(
ことり
)
のさえずるころにならなければ、ここへ
上
(
あ
)
がってくる
用事
(
ようじ
)
もなかったのでした。
深山の秋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ご
飯
(
はん
)
を
食
(
た
)
べてからですね。そうすれば、おれも
用事
(
ようじ
)
が
終
(
お
)
わるから、いかれますよ。」と、
秀吉
(
ひできち
)
は、
答
(
こた
)
えました。
さか立ち小僧さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
きっと、
村
(
むら
)
の
人
(
ひと
)
が、なにか
用事
(
ようじ
)
があっておそくなり、そして、いま
帰
(
かえ
)
るのだろう……と、こう
思
(
おも
)
って、
彼
(
かれ
)
は、
立
(
た
)
って
雨戸
(
あまど
)
を
細
(
ほそ
)
めにあけて、のぞいたのです。
般若の面
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「おまえは、まだ
死
(
し
)
ななかったのか。もうおまえみたいなばかには
用事
(
ようじ
)
がないから、さっさと
出
(
で
)
ていけ。」といって、
弟
(
おとうと
)
は、
取
(
と
)
りつく
島
(
しま
)
がなかったのです。
白すみれとしいの木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
どうしたのか、そのボールは
見
(
み
)
つかりませんでした。お
隣
(
となり
)
の
勇
(
いさむ
)
ちゃんは、
用事
(
ようじ
)
ができて
帰
(
かえ
)
ってしまったけれど、
彼
(
かれ
)
だけは、まだ、
思
(
おも
)
いきれなかったのでした。
少年と秋の日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
美
(
うつく
)
しい
日
(
ひ
)
がさが
破
(
やぶ
)
れると、もう
村
(
むら
)
の
娘
(
むすめ
)
たちは、
用事
(
ようじ
)
がないといわぬばかりに、どこかへ
散
(
ち
)
ってしまいました。
日がさとちょう
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
姉
(
ねえ
)
さんは、ちょっと
用事
(
ようじ
)
があっていってくるところがあるのよ。おまえは、どこへもいかずに、ここに
待
(
ま
)
ってておくれ、すぐに
姉
(
ねえ
)
さんは
帰
(
かえ
)
ってくるから。」
港に着いた黒んぼ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「おまえがそんなにほしければ、
用事
(
ようじ
)
をしまったらいっておいでなさい。」と、お
母
(
かあ
)
さんはいわれました。
海ほおずき
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“用事”の意味
《名詞》
用 事(ようじ)
なすべき仕事。用件。
(出典:Wiktionary)
用
常用漢字
小2
部首:⽤
5画
事
常用漢字
小3
部首:⼅
8画
“用”で始まる語句
用
用達
用意
用箪笥
用心
用捨
用人
用向
用箋
用立