“御達”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ごたち18.2%
おたっし18.2%
おたっ9.1%
おんたつ9.1%
おんとゞけ9.1%
おたつ9.1%
おったし9.1%
ごだち9.1%
ゴタチ9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
去秋、町方から来て以来、過失もなく、どこかに聡明をかくれて持ったようだが、うわべには、それが見られなかった。御達ごたち仲間のつきあいもよかった。
野に臥す者 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
今時分いまじぶん不思議な事と怪しむ間もなく、かの金棒の響はまさしく江戸町々の名主なぬしが町奉行所からの御達おたっしを家ごとに触れ歩くものと覚しく
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
もはや大勢たいせいのいかんともしがたいことを知る時が来て、太政官だじょうかんからの御達おたっしや総督府からの催促にやむなく江戸屋敷を引き揚げた紀州方なぞと同じように
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
まちける時に御徒目付おかちめつけ青山三右衞門玄關に立出て生駒家より差出さしいだしの人數にんずそろひたるやとのたづねにハツとこたへて同家どうけ用人ようにん金子忠右衞門同留守居役加川新右衞門の兩人罷り出御達おんたつし通り人數相揃ひひかへ罷り在候とこたへければ青山三右衞門玄關番に差※さしづなし然らばまづ各々方おの/\がたこれへ控有べしと案内あんないつれ評定所の座敷に暫時ざんじひかへ居たりけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「十三日。雨。九月八日岡山奥小野崎姉君御病死之旨今日御達おんとゞけ差出さしいだし、一日之遠慮引いたし候。」公私略に同文がある。只小野崎を「斧崎」に作つてある。棠軒の姉は田中氏か。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
かけ押戻おしもど假令たとへ何樣いかやうなる御身分たりとも此所にて御下乘あるべし未だ公儀こうぎより御達おたつなきうちは御城代の御門内ごもんない打乘うちのり決して相成申さず是非ぜひ御下乘とせいしてやまざれば然ばとて餘儀よぎなく門外にて下乘し玄關げんくわんへこそは打通うちとほりぬ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
柳亭種彦先生は昨夜の晩おそく突然北御町奉行所よりお調しらべの筋があるにより今朝五ツどきまでに通油町とおりあぶらちょう地本問屋じほんどんや鶴屋喜右衛門つるやきうえもん同道にて常磐橋ときわばし御白洲おしらす罷出まかりでよとの御達おったしを受けた。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
しは、頭白ふぶせのねび御達ごだち、あなときのまに
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
一山を焼き尽して、御達ゴタチの住みかの古穴も、安んじ難い火宅となつた。
狐の田舎わたらひ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)