『法王の祈祷』
香煙と法衣とより離れて、わが殿中の一隅金薄の脱落ちたこの一室に来れば、ずつと気やすく神と語ることが出来る。こゝへ来ては、腕を支へられずに、わが老来を思ふのである。弥撒を行ふ間は、わが心自づと強く、身も緊つて、尊い葡萄酒の輝は眼に満ちわたり、 …
| 著者 | マルセル・シュウォッブ |
| 翻訳者 | 上田敏 |
| ジャンル | 文学 > フランス文学 > 小説 物語 |
| 原題 | RECIT DU PAPE INNOCENT Ⅲ |
| 初出 | 「藝文 第六年第一号」1915(大正4)年1月 |
| 文字種別 | 新字旧仮名 |
| 読書目安時間 | 約6分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約10分(300文字/分) |