“狗児”のいろいろな読み方と例文
旧字:狗兒
読み方割合
いぬころ63.6%
ちんころ18.2%
こいぬ9.1%
くじ9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ツイ其処に生後まだ一ヵ月もたぬ、むくむくとふとった、赤ちゃけた狗児いぬころが、小指程の尻尾しっぽを千切れそうに掉立ふりたって、此方こちら瞻上みあげている。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
同じ学校の上の級に沼波ぬなみというのがあった。僕は顔も知らないが、先方では僕と埴生との狗児ちんころのように遊んでいるのを可笑おかしがって見ていたものと見える。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
床には四角の煉瓦が鋪いてあり、椅子やテーブルは黒い木材でこさえてあり、その脚はひょろ長く曲っていて狗児こいぬの足のようだ。
鐘塔の悪魔 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
狗児くじにも仏性ぶっしょうありというのだから、老猫も一切衆生いっさいしゅじょうの中の一物ではある。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)