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狗児
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いぬころ
ふりがな文庫
“
狗児
(
いぬころ
)” の例文
旧字:
狗兒
ツイ其処に生後まだ一ヵ月も
経
(
た
)
たぬ、むくむくと
肥
(
ふと
)
った、赤ちゃけた
狗児
(
いぬころ
)
が、小指程の
尻尾
(
しっぽ
)
を千切れそうに
掉立
(
ふりた
)
って、
此方
(
こちら
)
を
瞻上
(
みあ
)
げている。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
成斎はその節用集を抱へ込んで、
狗児
(
いぬころ
)
のやうに
鎮守
(
ちんじゆ
)
の社殿の下に潜り込んだ。そして節用集を読み覚えると、その覚えた
個所
(
かしよ
)
だけは紙を
引拗
(
ひきちぎ
)
つて食べた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
向うに
狗児
(
いぬころ
)
の
形
(
かげ
)
も、早や見えぬ。
四辺
(
あたり
)
に誰も居ないのを、一息の
下
(
もと
)
に見渡して、我を笑うと心着いた時、
咄嗟
(
とっさ
)
に渋面を造って、身を
捻
(
ね
)
じるように振向くと……
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
兎
(
と
)
にかく市郎の身に
恙
(
つつが
)
なかったのは何よりの
幸福
(
さいわい
)
であったと、お葉は安堵の胸を
撫下
(
なでおろ
)
すと同時に、我が
眼前
(
めのまえ
)
に雪を浴びて、
狗児
(
いぬころ
)
のように
跼
(
うずく
)
まっている重太郎を哀れに思った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
われらは願はく
狗児
(
いぬころ
)
の
『二十五絃』を読む
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
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多くの学者は研究が厭になると、細君の顔を見てにやりとするか、さもなければ
狗児
(
いぬころ
)
を連れて散歩に出るものである。桑原氏も欠伸を二つして散歩に出た。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
花畑のなかの一軒屋に生れたので、子供の時は
狗児
(
いぬころ
)
か蝶々かのやうに色々の花の中に転がり廻つて日を送つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
狗
漢検準1級
部首:⽝
8画
児
常用漢字
小4
部首:⼉
7画
“狗”で始まる語句
狗
狗子
狗肉
狗鼠
狗賓
狗兒
狗吠
狗奴
狗骨
狗様