“ちんころ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
狗児66.7%
狆児33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
同じ学校の上の級に沼波ぬなみというのがあった。僕は顔も知らないが、先方では僕と埴生との狗児ちんころのように遊んでいるのを可笑おかしがって見ていたものと見える。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
乳も碌に飲まない中に母犬おふくろには別れ、宿なしの親なしで随分苦労もしたが、今の旦那には勿躰ないほどお世話になつて、とんと応挙の描いた狗児ちんころのやうだと仰しやつて大変可愛がられたもんだ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
外の生徒は二人が盛砂の中で角力すもうを取るのを見て、まるで狗児ちんころのようだと云って冷かしていた。やあ、黒と白が喧嘩けんかをしている、白、負けるななどと声を掛けて通るものもあった。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
可愛らしい狆児ちんころのようなものであって、その毛色は濃鼠こいねずみで誠にサバサバしたごく軽い毛である。その顔の愛らしい事といったら実に一見してその動物の性情の愛すべきことが分るです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)