トップ
>
痔
>
じ
ふりがな文庫
“
痔
(
じ
)” の例文
月が代ってから、
痔
(
じ
)
に悩んでいた浅井が、
伊豆
(
いず
)
の方へ湯治に行った留守に、お雪が不断着のままで、ふとある日お増のところへやって来た。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
さて私は、その日から、
痔
(
じ
)
の治療をうけることになった。何かにつけ、
娑婆
(
しゃば
)
とは
段違
(
だんちが
)
いに
惨
(
みじ
)
めな
所内
(
しょない
)
ではあるが、医務室だけは
浮世並
(
うきよな
)
みだった。
柿色の紙風船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかしお静は半年ほどたって
痔
(
じ
)
をわずらい、寝込んでしまった。私はやせ細ったお静を背負い病院に連れていったが、その軽さがふと胸にこたえた。
私の履歴書:――放浪の末、段ボールを思いつく
(新字新仮名)
/
井上貞治郎
、
日本経済新聞社
(著)
が、暫らく歩いているうちに
痔
(
じ
)
の痛みを感じ出した。それは僕には坐浴より外に
瘉
(
なお
)
すことの出来ない痛みだった。
歯車
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
山田氏はまだ
痔
(
じ
)
が御悪いそうだから御願いできぬ時は、三人だけでも御相談できると何よりだと思います。
平野義太郎宛書簡:05 一九三二年五月二十三日
(新字新仮名)
/
野呂栄太郎
(著)
▼ もっと見る
よく
無花果
(
いちじく
)
は
痔
(
じ
)
の薬になると申しますが追々無花果が出て来ますからあれなんぞも食べておきましょう。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
お春の云うところに
依
(
よ
)
ると、彼女は先月の下旬に、
尼崎
(
あまがさき
)
の父が
痔
(
じ
)
の手術で西宮の某
肛門
(
こうもん
)
病院に入院した時、二週間ばかり暇を貰って父に附き添っていたのであったが
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
国に女房子を
置放
(
おきぱな
)
しにした罰が一緒に報って来て私は
女房
(
これ
)
のかの字を受けたと見えて
痳病
(
りんびょう
)
に
痔
(
じ
)
と来ました、これがまた二度めの
半病床
(
はんどや
)
と来て
発
(
た
)
つことが出来ませんで
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
年じゅう腰をかけどおしなもんですから、五分間でも歩き回れるのが、うれしくてたまらないんですよ……
痔
(
じ
)
がありますんでね……いつも体操で治療しようと思ってるんですが。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「皆丈夫ですが、田舎の高等学校へ行っている次男がこの頃
痔
(
じ
)
を
患
(
わずら
)
っています」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
けれども僕は自殺をしない。誰かに自惚れられるのが、いやなんだ。病気と災難とを待っている。けれどもいまのところ、僕の病気は歯痛と
痔
(
じ
)
である。死にそうもない。災難もなかなか来ない。
ダス・ゲマイネ
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
どうしてといってネ、この方、つまり……あれなのよ、
痔
(
じ
)
が悪いんでしょ。それでラジウムで
灼
(
や
)
いているんですわ。判るでしょう。つまり
肛門
(
こうもん
)
にラジウムを
柿色の紙風船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あの人は職業上の関係で、
下谷
(
したや
)
のある芸者を知っていたの。私と同じ
痔
(
じ
)
の療治で入院していて、退院してからちょいちょい呼んでやったことがあったものよ。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
痔
(
じ
)
に悩んでいた彼女はクションの上に半身を横たえてぐったりしていたが、九時ごろに宮の下のある旅館の前へ自動車を着けさせてみると、酒に酔った学生たちが
多勢
(
おおぜい
)
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「
痔
(
じ
)
でござんす。痛みますんで、夜もオチオチ睡れません」
柿色の紙風船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「ボラギノールって、
痔
(
じ
)
の薬じゃないか」
西湖の屍人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“痔”の意味
《名詞》
痔(じ)
肛門周辺に生じた疾患の総称。痔疾。
(出典:Wiktionary)
“痔”の解説
痔(じ)は、肛門周辺に生じた疾患の総称。痔疾(じしつ)ともいう。
(出典:Wikipedia)
痔
漢検準1級
部首:⽧
11画
“痔”を含む語句
痔疾
痔瘻
穴痔