私の履歴書わたしのりれきしょ――放浪の末、段ボールを思いつく――ほうろうのすえ、だんボールをおもいつく
『紙にしようか、メリケン粉にするか』。私はまだ迷っていた。明治四十二年、二十九歳のときである。朝鮮から満州、香港と流れ歩いた末、やっと見つけた東京での二畳の部屋。そこへ大の字にひっくり返って、天井の雨漏りのしみをながめながら考えたのはこれか …
題名が同じ作品
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