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じ
ふりがな文庫
“
辞
(
じ
)” の例文
旧字:
辭
なかなかそんな者ではありません。
辞
(
じ
)
を低うして迎えるべき人物でさえあるのです。それだけでも大きな意義があるではありませんか
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
読みて
大尉
(
たいゐ
)
の
壮行
(
さうかう
)
と
予
(
われ
)
も
共
(
とも
)
にするの感あり、
其
(
そ
)
は
此日
(
このひ
)
より
後
(
のち
)
の
事
(
こと
)
にして、
予
(
よ
)
は
此日
(
このひ
)
只一人
(
たゞひとり
)
嬉
(
うれ
)
しくて、ボンヤリとなり、社員にも
辞
(
じ
)
せず
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
決して他人にこれを
標示
(
ひょうじ
)
するというような
潜越
(
せんえつ
)
な考えはありませんがたってとの御質問に
辞
(
じ
)
しがたくてざっとお
返辞
(
へんじ
)
しましたまでです。
家庭愛増進術:――型でなしに
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
そしてこの昆虫がよい
加減
(
かげん
)
蜜
(
みつ
)
を吸うたうえは、頭に花粉をつけたままこの花を
辞
(
じ
)
し去って他の花へ行く。そして同じく花中へ頭を突き込む。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
君側の奸を
掃
(
はら
)
わんとすと云うと
雖
(
いえど
)
も、詔無くして兵を起し、威を
恣
(
ほしいまま
)
にして地を
掠
(
かす
)
む。
其
(
その
)
辞
(
じ
)
は
則
(
すなわ
)
ち可なるも、其実は則ち非なり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
さっきからいかに
辞
(
じ
)
をひくうし、礼を厚うして
出廬
(
しゅつろ
)
をうながしても、作爺さんの作阿弥は、いっかな、うんと承知しません。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
一枝
(
ひとえだ
)
の
桂
(
かつら
)
を
折
(
を
)
れ、
一輪
(
いちりん
)
の
花
(
はな
)
を
摘
(
つ
)
め。
奚
(
なん
)
ぞみだりに
妻
(
つま
)
に
仇
(
あだ
)
して、
我
(
われ
)
をして
避
(
さ
)
くるに
処
(
ところ
)
なく、
辞
(
じ
)
するに
其
(
そ
)
の
術
(
すべ
)
なからしむる。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
代助は其
夜
(
よ
)
九時頃平岡の
家
(
いへ
)
を
辞
(
じ
)
した。
辞
(
じ
)
する
前
(
まへ
)
、自分の
紙入
(
かみいれ
)
の
中
(
なか
)
に
有
(
あ
)
るものを
出
(
だ
)
して、三千代に
渡
(
わた
)
した。其時は、
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
で多少の
工夫
(
くふう
)
を
費
(
つい
)
やした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
糟谷
(
かすや
)
はがらにないおじょうずをいったり、自分ながらひや
汗
(
あせ
)
のでるような、
軽薄
(
けいはく
)
なものいいをしたりして、なにぶん
頼
(
たの
)
むを数十ぺんくり
返
(
かえ
)
して
辞
(
じ
)
した。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
著名
(
ちょめい
)
の学者の
筆
(
ふで
)
になる「
蠅
(
はえ
)
を
憎
(
にく
)
むの
辞
(
じ
)
」が現代的科学的
修辞
(
しゅうじ
)
に
飾
(
かざ
)
られて、しばしばジャーナリズムをにぎわした。
蛆の効用
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
ぼくは大統領の
職
(
しょく
)
を
辞
(
じ
)
そうと思うよ、ぼくが現職にあるために連盟の平和をみだすようになっては心苦しい。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
子供の時から
慣
(
な
)
れた職業であるから
今
(
いま
)
さら転職するのも好まぬし、よしまた金が
要
(
い
)
らぬというてわが輩が
辞
(
じ
)
したならば、実際のところ社長にあたる人がない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
そうして
程
(
ほど
)
なく
或人
(
あるひと
)
の
世話
(
せわ
)
で
郡立学校
(
ぐんりつがっこう
)
の
教師
(
きょうし
)
となったが、それも
暫時
(
ざんじ
)
、
同僚
(
どうりょう
)
とは
折合
(
おりあ
)
わず、
生徒
(
せいと
)
とは
親眤
(
なじ
)
まず、ここをもまた
辞
(
じ
)
してしまう。その
中
(
うち
)
に
母親
(
ははおや
)
は
死
(
し
)
ぬ。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
大分楽になった訳で、それでヤクの尾で拵えた繩でその羊の首を
括
(
くく
)
って自分も荷物を背負って、そこの家を
辞
(
じ
)
してカン・リンボチェの方向に進んで行くことにした。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
百樹
(
もゝき
)
曰、芭蕉
居士
(
こじ
)
は寛永廿年伊賀の上野藤堂新七郎殿の
藩
(
はん
)
に生る。(次男なり)寛文六年歳廿四にして
仕絆
(
しはん
)
を
辞
(
じ
)
し、京にいでゝ
季吟
(
きぎん
)
翁の門に入り、
書
(
しよ
)
を
北向雲竹
(
きたむきうんちく
)
に
学
(
まな
)
ぶ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
仁田
(
にた
)
峠の展望を素晴らしいといった私は、普賢の展望を何と形容していいか、
辞
(
じ
)
なきに苦しむ。この眺望に接した私の歓喜を、この法悦境をどういい表わしたらいいであろう。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
彼等は久しく芝生の
縁代
(
えんだい
)
で話した。M君が
辞
(
じ
)
し去ったのは、夜も
深
(
ふ
)
けて十二時近かった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そして、
高
(
たか
)
い
位
(
くらい
)
に
上
(
のぼ
)
りましたが、
大将
(
たいしょう
)
は、また一
面
(
めん
)
において
人情
(
にんじょう
)
にも
深
(
ふか
)
かった
人
(
ひと
)
で、
死
(
し
)
んだ
人々
(
ひとびと
)
に
同情
(
どうじょう
)
を
寄
(
よ
)
せられて、ついに
大将
(
たいしょう
)
の
職
(
しょく
)
を
辞
(
じ
)
して、
隠居
(
いんきょ
)
されたということであります。
強い大将の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
官を
辞
(
じ
)
して護衛警察官が
退却
(
たいきゃく
)
し、のびのびと手足をのばして好い気になっていたとたん、二月二十六日の朝、雪降る中にトラックに乗った警察官の一群が
寝込
(
ねこ
)
みをついてやって来た。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
兄の二郎とは
殊
(
こと
)
に仲よしで、兄のためには水火も
辞
(
じ
)
せぬ愛情を持っていました。……
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
左
(
さ
)
れば瘠我慢の一主義は
固
(
もと
)
より人の私情に
出
(
いず
)
ることにして、
冷淡
(
れいたん
)
なる数理より論ずるときはほとんど
児戯
(
じぎ
)
に等しといわるるも
弁解
(
べんかい
)
に
辞
(
じ
)
なきがごとくなれども、世界古今の実際において
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
俊亮もつい気持よく盃を重ねて、九時近くに大巻の家を
辞
(
じ
)
した。彼は自転車で寒い風を切りながら、きょうの訪問が決して無駄ではなかったと思い、重荷をひとつおろしたような気がした。
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「田舎箱根
豈
(
あに
)
辞
(
じ
)
さんやだ。三輪君に
子授
(
こさず
)
け観音へ参詣させる為めにはだね」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
私たちが
辞
(
じ
)
して帰ろうとすると
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
客
(
かく
)
又
(
また
)
問
(
と
)
はず、
余
(
よ
)
を
辞
(
じ
)
して
去
(
さ
)
る。
問答二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
彼
(
かれ
)
告別
(
こくべつ
)
の
辞
(
じ
)
に言へりけり
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
いや、そんなことがなくっても、思いやりのふかい伊那丸と、
侠勇勃々
(
きょうゆうぼつぼつ
)
たる一党の勇士たちは、かならずや、咲耶子の味方となることを
辞
(
じ
)
せぬであろう。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
主人もことばのかぎりをつくして
同情
(
どうじょう
)
した。しんせつな安藤はともかくも
治療
(
ちりょう
)
の
見込
(
みこ
)
みがすこしでもあるならば、一日も見てはいられぬといって
辞
(
じ
)
し
去
(
さ
)
った。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
いかに国家の命令とはいえ、役人にして国家の為す所に
腑
(
ふ
)
に落ちぬことがあれば、その命令を
拒
(
こば
)
むことは出来なくとも、自分より進んで職を
辞
(
じ
)
することは出来る。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
百樹
(
もゝき
)
曰、芭蕉
居士
(
こじ
)
は寛永廿年伊賀の上野藤堂新七郎殿の
藩
(
はん
)
に生る。(次男なり)寛文六年歳廿四にして
仕絆
(
しはん
)
を
辞
(
じ
)
し、京にいでゝ
季吟
(
きぎん
)
翁の門に入り、
書
(
しよ
)
を
北向雲竹
(
きたむきうんちく
)
に
学
(
まな
)
ぶ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
開天行道肇紀立極大聖至神仁文義武俊徳成功高
(
かいてんこうどうちょうきりつきょくたいせいししんじんぶんぎぶしゅんとくせいこうこう
)
皇帝の
諡号
(
しごう
)
に
負
(
そむ
)
かざる
朱元璋
(
しゅげんしょう
)
、
字
(
あざな
)
は
国瑞
(
こくずい
)
の
世
(
よ
)
を
辞
(
じ
)
して、
其
(
その
)
身は地に入り、其
神
(
しん
)
は
空
(
くう
)
に帰せんとするに臨みて、言うところ
如何
(
いかん
)
。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼
(
かれ
)
は
半年
(
はんとし
)
も
無職
(
むしょく
)
で
徘徊
(
うろうろ
)
してただパンと、
水
(
みず
)
とで
生命
(
いのち
)
を
繋
(
つな
)
いでいたのであるが、その
後
(
ご
)
裁判所
(
さいばんしょ
)
の
警吏
(
けいり
)
となり、
病
(
やまい
)
を
以
(
もっ
)
て
後
(
のち
)
にこの
職
(
しょく
)
を
辞
(
じ
)
するまでは、ここに
務
(
つとめ
)
を
取
(
と
)
っていたのであった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
然
(
しか
)
も
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
は、
午前
(
ごぜん
)
の
中
(
うち
)
、
爪皮
(
つまかは
)
の
高足駄
(
たかげた
)
、
外套
(
ぐわいたう
)
、
雫
(
しづく
)
の
垂
(
したゝ
)
る
蛇目傘
(
ぢやのめがさ
)
、
聞
(
き
)
くも
濡々
(
ぬれ/\
)
としたありさまで、(まだ四十には
間
(
ま
)
があるのに、
壮
(
わか
)
くして
世
(
よ
)
を
辞
(
じ
)
した)
香川
(
かがは
)
と
云
(
い
)
ふ
或素封家
(
あるそはうか
)
の
婿
(
むこ
)
であつた
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
縁は
異
(
い
)
なもので、ゴルドン伝を書いた翌々年「
寄生木
(
やどりぎ
)
」の主人公から突然「寄生木」著作の事を
委托
(
いたく
)
された。恩人たる乃木将軍の為めにと云う彼の
辞
(
じ
)
であった。余は例に無く
乗地
(
のりじ
)
になって引受けた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
結城邸を
辞
(
じ
)
した私は、猟奇者の常として、何となく例の古井戸が気にかかるものだから、そこの空地を通って、存分井戸の側を眺め廻し、それからあの犬の足跡が消えていた
小砂利
(
こじゃり
)
の多い道路に出て
何者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「そうだ、ぼくは自分の重大な責任をのがれようとした、信頼されたら
水火
(
すいか
)
をも
辞
(
じ
)
せないのが、日本人の
気性
(
きしょう
)
だ、
困難
(
こんなん
)
がかさなればかさなるほど、それにたえて打ち破ってゆかなければならないのだ」
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
自分はここにいたって、ほとんど
慰藉
(
いしゃ
)
の
辞
(
じ
)
に窮した。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
むかしは、
宰相
(
さいしょう
)
を
辞
(
じ
)
して人のために
園
(
えん
)
にそそいだという話があるが、花前はそれに
比
(
ひ
)
すべき感がある。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
別間
(
べつま
)
でたくさんな
馳走
(
ちそう
)
をされ、
鞍馬
(
くらま
)
では食べつけない珍味の数々を、
箸
(
はし
)
と
頤
(
あご
)
のつづくかぎりたらふくつめこみ、さて、例の
棒切
(
ぼうき
)
れ一本さげて、
飄然
(
ひょうぜん
)
とここを
辞
(
じ
)
してかえる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
帝
(
みかど
)
亭子院
(
ていじゐん
)
へ
朝覲
(
てうきん
)
のをりから御内心を
示
(
しめ
)
し玉ひしに 帝もこれにしたがひ玉ひ、其日 菅神を亭子院にめして事のよしを
内勅
(
ないちよく
)
ありしに 菅神
固
(
かたく
)
辞
(
じ
)
したまひしに
許
(
ゆる
)
し玉はざりけり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
辞
(
じ
)
することの
出来
(
でき
)
ぬ
院長
(
いんちょう
)
は、
隠
(
かくし
)
から十
銭
(
せん
)
を
出
(
だ
)
して
彼
(
かれ
)
に
遣
(
や
)
る。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
帝
(
みかど
)
亭子院
(
ていじゐん
)
へ
朝覲
(
てうきん
)
のをりから御内心を
示
(
しめ
)
し玉ひしに 帝もこれにしたがひ玉ひ、其日 菅神を亭子院にめして事のよしを
内勅
(
ないちよく
)
ありしに 菅神
固
(
かたく
)
辞
(
じ
)
したまひしに
許
(
ゆる
)
し玉はざりけり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
それ以上、強いることばも、
諫
(
いさ
)
める
辞
(
じ
)
もなく、孔明は口をつぐんだ。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
辞
常用漢字
小4
部首:⾟
13画
“辞”を含む語句
返辞
讃辞
辞儀
言辞
辞退
別辞
台辞
世辞
遁辞
措辞
弔辞
楚辞
空世辞
諛辞
辞義
悼辞
辞柄
固辞
美辞
辞別
...