“慰藉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いしゃ66.9%
ゐしや14.0%
なぐさめ10.7%
なぐさみ4.1%
なぐさ1.7%
たのしみ0.8%
なぎさめ0.8%
コンソレーシヨン0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どこかの領事館の一室にこもったきりで読書と思索にふけっているという考えだけでもどんなに大きな慰藉いしゃであったかしれないと思う。
二十四年前 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
そして月に幾度となく彼女の不幸な孫の消息について、こま/″\と書き送りもし、またわが子の我まゝな手紙を読むことに、慰藉ゐしやを感じてゐた。
哀しき父 (新字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
身も魂も投げ出して追憶の甘きうれいにふけりたいというはかない慰藉なぐさめもてあそぶようになってから、私は私にいつもこう尋ねるのであった。
山の手の子 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
古本をあさることはこの節彼が見つけた慰藉なぐさみの一つであった。これ程費用ついえが少くて快楽たのしみの多いものはなかろう、とは持論である。その日も例のように錦町にしきちょうから小川町の通りへ出た。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
慰藉なぐさに唄ふひとふしも
枯草 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
成るべく家内には遠ざかるやうにして、そつうちを抜け出して来ては、独りで飲むのが何よりの慰藉たのしみだ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
次に「もし汝らの身わが身と処を換えなば……口をもて汝らを強くし、唇の慰藉なぎさめをもて汝らの憂愁うれえを解くことを得るなり」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
快楽の他の意味は慰藉コンソレーシヨンなる事は前にも言ひたり。慰藉といふ事は、孤立アイソレーテツドしたる立脚点スタンドポイントの上に立つものにあらずして、何物にか双対するものなり。