“たのしみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
50.6%
12.4%
快楽10.1%
娯楽4.5%
歡樂4.5%
歓楽3.4%
愉快2.2%
愉楽2.2%
快樂1.1%
可楽1.1%
喜悦1.1%
娯樂1.1%
悦樂1.1%
1.1%
愉樂1.1%
慰楽1.1%
慰藉1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つまをおさいといひ、俳名を翠仙すゐせんといふ、夫婦ともに俳諧をよく文雅ぶんがこのめり。此柏筵はくえんが日記のやうに書残かきのこしたるおいたのしみといふ随筆ずゐひつあり。
われは獨語して、いでや人生の渦裏に投じて、人生のたのしみを受用し、誓ひて餘瀝なからしめんと云ふとき、舟はもとの旅館の階下に留まりぬ。
主人あるじが浮かねば女房も、何の罪なきやんちゃざかりの猪之いのまで自然おのずと浮き立たず、さびしき貧家のいとど淋しく、希望のぞみもなければ快楽たのしみも一点あらで日を暮らし
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ただ野田山の墳墓をはらいて、母上と呼びながら土にすがりて泣き伏すをば、此上無こよな娯楽たのしみとして、お通は日課の如く参詣さんけいせり。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
嗚呼我人とも終には如是かく、男女美醜のわかちも無く同じ色にと霜枯れんに、何の翡翠の髪のさま、花の笑ひのかんばせか有らん。まして夢を彩る五欲の歓楽たのしみ、幻を織る四季の遊娯あそび、いづれか虚妄いつはりならざらん。
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
嗚呼弟とは辛いものぢやと、路も見分かで屈托のまなこなんだに曇りつゝ、とぼ/\として何一ツ愉快たのしみもなき我家の方に、糸で曳かるゝ木偶でくのやうに我を忘れて行く途中、此馬鹿野郎発狂漢きちがひ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
静子の生涯に忘るべからざる盆の十四日の日は、朗々ほがらほがらと明けた。風なく、雲なく、うららかな静かな日で、一年中の愉楽たのしみを盆の三日に尽す村人の喜悦よろこびは此上もなかつた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
捕へんため追行おひゆくと云給へど千住にて今朝より暮方迄くれがたまで女を相手に快樂たのしみ日の暮てより夜道をさるゝ事今の話に符合ふがふせずまことの事を云ひ給へとなじるに左仲は御邊ごへんは何人なれば先程より我等われら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ば爲ん物と朝暮思ひ消光くらしけるが長三郎は若きに似氣にげなくうきたるこゝろすこしもあらで物見遊山は更にもはず戸外おもてへ出る事をきらひたゞ奧まりたる一室ひとまこもり書籍をひもと讀事よむことを此上もなき快樂たのしみと爲しつゝ月日を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かうしてゐれば、可楽たのしみな事もあるかはりつらい事や、悲い事や、くるしい事なんぞが有つて、二つ好い事は無し、考れば考るほど私は世の中が心細いわ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
聖天子万機ばんきの朝政をみそなわすによしとて、都とさだめたもうて三十年、国威は日に日に伸びる悦賀よろこびをもうし、万民鼓腹して、聖代を寿ことほ喜悦たのしみを、おおやけにも、しろしめせとばかり
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ベンヺ さア、かへらう/\。娯樂たのしみはもう頂點ちゃうてんぢゃ。
これらのものをみること汝のうれへとならずして却つて自然が汝に感ずるをえさするかぎりの悦樂たのしみとなる時速かにいたらむ。 三一—三三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
それは、空を飛下りる時の、妖しい幻影にのみ、たのしみをつないでいる、淋しい男の姿だった。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
風なく、雲なく、麗かな靜かな日で、一年中の愉樂たのしみを盆の三日に盡す村人の喜悦は此上もなかつた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
彼女は毎週土曜日の来るのを待ちに待って、その二時間をば慰楽たのしみとして過すのであった。彼女はまったく親身に男を待遇した。
フェリシテ (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
成るべく家内には遠ざかるやうにして、そつうちを抜け出して来ては、独りで飲むのが何よりの慰藉たのしみだ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)