愉楽たのしみ)” の例文
旧字:愉樂
苦役しごとから解放された、その間らくにしていられる日をすこし送るのだ。その束の間の愉楽たのしみが前から待たれるのだったのだ。
その人 (新字新仮名) / 小山清(著)
静子の生涯に忘るべからざる盆の十四日の日は、朗々ほがらほがらと明けた。風なく、雲なく、うららかな静かな日で、一年中の愉楽たのしみを盆の三日に尽す村人の喜悦よろこびは此上もなかつた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)