トップ
>
慰藉
>
なぐさめ
ふりがな文庫
“
慰藉
(
なぐさめ
)” の例文
身も魂も投げ出して追憶の甘き
愁
(
うれ
)
いに
耽
(
ふけ
)
りたいというはかない
慰藉
(
なぐさめ
)
を
弄
(
もてあそ
)
ぶようになってから、私は私にいつもこう尋ねるのであった。
山の手の子
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
せめてもの
慰藉
(
なぐさめ
)
にしようと試みるのであったが、しかし何となくその身の行末
空恐
(
そらおそろ
)
しく、ああ人間もこうなってはもうおしまいだ。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
我はわが
慰藉
(
なぐさめ
)
の慕はしき聲を聞きて身を
轉
(
めぐら
)
せり、されどこの時かの聖なる目の中にいかなる愛をわが見しや、こゝに
記
(
しる
)
さじ 七—九
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
人間に
慰藉
(
なぐさめ
)
を給はる父よ。精霊よ。願くはわたくしの此胸にお
宿下
(
やどりくだ
)
さい。そしてあらゆる罪悪をお
癒
(
いや
)
し下さつて、わたくしの霊をお救下さい。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
どうせ助からないにしても、他の病人だと、後に残る者達を心ゆくまで抱擁して、彼等の面影をあの世へまでもってゆけるという
慰藉
(
なぐさめ
)
があります。
誤診
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
▼ もっと見る
丁度
談話
(
はなし
)
をするやうな調子で、さま/″\
慰藉
(
なぐさめ
)
を書き籠め、さて飯山の消息には、校長の
噂
(
うはさ
)
やら、文平の悪口やら
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
これは、理窟から云へば、
慰藉
(
なぐさめ
)
だが、實際さうなつたら
怖
(
こは
)
いだらう。私は、ありつたけの力で、その考へを抑へようと
努
(
つと
)
めた。私は、しつかりしようと努めた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
由無
(
よしな
)
き
慰藉
(
なぐさめ
)
は聞かじとやうに宮は
俯
(
ふ
)
しながら
頭
(
かしら
)
を
掉
(
ふ
)
りて更に泣入りぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
固き基を与えた、
慰藉
(
なぐさめ
)
多き詞であったか。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
いひしらぬ
慰藉
(
なぐさめ
)
のしらべを
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
慰藉
(
なぐさめ
)
失
(
う
)
せし野に立てば
花守
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
切なさは
可懐
(
なつか
)
しさに交つて、足もおのづから
慄
(
ふる
)
へて来た。あゝ、自然の
胸懐
(
ふところ
)
も
一時
(
ひととき
)
の
慰藉
(
なぐさめ
)
に過ぎなかつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
その迷惑をするのが却て
慰藉
(
なぐさめ
)
になり、たよりになるのである。ステパンはこんな
独語
(
ひとりごと
)
を言つてゐる。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
優しい、十分
慰藉
(
なぐさめ
)
になるような、8895
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
弁護士は小作人と地主との
争闘
(
あらそひ
)
を、蓮太郎は労働者の
苦痛
(
くるしみ
)
と
慰藉
(
なぐさめ
)
とを、叔父は『えご』、『
山牛蒡
(
やまごばう
)
』、『
天王草
(
てんわうぐさ
)
』、又は『
水沢瀉
(
みづおもだか
)
』等の雑草に苦しめられる耕作の経験から
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
体を此格好にしたゞけでも、もう
慰藉
(
なぐさめ
)
になり歓喜を生ずるのである。セルギウスは
俯伏
(
うつふし
)
になつた。髪の毛が顔に掛かつた。もう大分髪の毛のまばらになつた
額際
(
ひたひぎは
)
を、湿つて冷たい床に押し当てた。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
君は子供の墓地に近く住むことを唯一の
慰藉
(
なぐさめ
)
としている。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その
慰藉
(
なぐさめ
)
にあらじかし
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
“慰藉”の意味
《名詞》
慰めていたわること。
(出典:Wiktionary)
慰
常用漢字
中学
部首:⼼
15画
藉
漢検1級
部首:⾋
17画
“慰藉”で始まる語句
慰藉料
慰藉者
慰藉金
慰藉品