“胸懐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むなぶところ50.0%
きょうかい25.0%
ふところ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さう云ひながら父は、彼の痩せた胸懐むなぶところに顔を埋めてゐる娘の美しい撫肩なでがたを、軽く二三度叩いた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
勝家はしきりと、味方を誘った。彼がうめくようにこういうと、そのたびに、うなずいてみせているのは滝川一益だった。しかし、その他の諸将の胸懐きょうかいは、依然、見てとるにむずかしい容子ばかりである。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
切なさは可懐なつかしさに交つて、足もおのづからふるへて来た。あゝ、自然の胸懐ふところ一時ひととき慰藉なぐさめに過ぎなかつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)