トップ
>
慰藉
>
なぐさみ
ふりがな文庫
“
慰藉
(
なぐさみ
)” の例文
古本を
猟
(
あさ
)
ることはこの節彼が見つけた
慰藉
(
なぐさみ
)
の一つであった。これ程
費用
(
ついえ
)
が少くて
快楽
(
たのしみ
)
の多いものはなかろう、とは持論である。その日も例のように
錦町
(
にしきちょう
)
から小川町の通りへ出た。
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
宛
(
さなが
)
ら山吹の花の実もなき色香を誇るに等しい
放蕩
(
ほうとう
)
の生涯からは空しい
痴情
(
ちじょう
)
の夢の名残はあっても、今にして初めて知る、老年の
慰藉
(
なぐさみ
)
となるべき子孫のない身一ツの
淋
(
さび
)
しさ
果敢
(
はかな
)
さ。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
身を切るような風吹きて
霙
(
みぞれ
)
降る夜の、まだ宵ながら餅屋ではいつもよりも早く
閉
(
し
)
めて、幸衛門は酒一口飲めぬ身の
慰藉
(
なぐさみ
)
なく堅い男ゆえ
炬燵
(
こたつ
)
へ
潜
(
もぐ
)
って寝そべるほどの楽もせず
火鉢
(
ひばち
)
を控えて
厳然
(
ちゃん
)
と
座
(
すわ
)
り
置土産
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
自然の花が見る人に一種の
慰藉
(
なぐさみ
)
を与えたようなものかも知れない。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
大先生さえお
帰
(
かえり
)
になったら、
慰藉
(
なぐさみ
)
も幸福も
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
“慰藉”の意味
《名詞》
慰めていたわること。
(出典:Wiktionary)
慰
常用漢字
中学
部首:⼼
15画
藉
漢検1級
部首:⾋
17画
“慰藉”で始まる語句
慰藉料
慰藉者
慰藉金
慰藉品