“悼辞”のいろいろな読み方と例文
旧字:悼辭
読み方割合
くやみ50.0%
とうじ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひとから鄭重に悼辞くやみを言はれると、奈何どうして俺は左程悲しくないだらうと、それが却つて悲しかつた事もある。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
滑稽こっけいなことはその翌日、壬生寺みぶでらで、昨夜殺された芹沢鴨の葬式があったが、その施主せしゅが近藤勇であったこと。勇は平気な面をして、自分が先に立って焼香もすれば人の悼辞くやみも受ける。
たとえば、妙恵の追善にしても、その諷誦文ふうしょうぶん悼辞とうじ)は、自身が親しく筆をとっていた。その文は「歴代鎮西要略」にあるが、ここでは略す。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
能勢五十雄は、中学を卒業すると間もなく、肺結核はいけっかくかかって、物故した。その追悼式ついとうしきを、中学の図書室で挙げた時、制帽をかぶった能勢の写真の前で悼辞とうじを読んだのは、自分である。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)