)” の例文
ルネツサンス芸術の保護者であつた貴族メデイチの霊廟をサン・ロレンツオうてミケランゼロの建築にやゝ久しく陶然とした。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
なんでもちゅうの者が棺をあばいたに相違ないといって、とうとう訴訟沙汰にまでなりましたが、当夜の事情が判明して無事に済みました
日は仲春、空は雨あがりの、さわやかな朝である。高原の寺は、人の住む所から、おのずから遠く建って居た。唯およそ、百人の僧俗が、中に起き伏して居る。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
どんな貧乏寺でも一の住職となれば、人にも尊敬されるし食うにも困らないから、というようなことを、まだ七歳にしかならない繁次に云い聞かせた。
落葉の隣り (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
しるさんに去る×月×日午後十一時頃×県×郡×村あざ×所在×の寺男×某(五〇)が同寺住職のいいつけにて附近のだん使つかいに行き帰途同寺けいだいの墓地を通過せる折柄おりから雲間を
百面相役者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その夜、法月弦之丞のりづきげんのじょうが外へでるとまもなく、一げつの宿院へ、二人の客があった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
手は掛るが皆此方こちらでやって置くが、一ヶの住職を頼んで置きますが、お前ナア余り早く来ると此方で困るから、昼飯ひるはんでも喰ってからそろそろ出掛け、夕飯ゆうはんは此方で喰う気で来なさい
つれ同行三人にてせん參り旁々かた/″\當地へ參りしをかの甚兵衞世話せわいたし自分の隱居所いんきよじよ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
四十八そのひとてらの鐘なりぬ今し江の北雨雲あまぐもひくき
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
歩廊ほらうの中にづらりと並んだ店から土産物を勧める声に振返りもせず、左に高い鐘楼を一べつしたまゝ僕はサン・マルコ煤色すゝいろをした扉を押してはひつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
こゝに又和歌山の城下じやうかより五十町みち一里半ほどざいに平澤村といふ小村こむらあり此處へ先年せんねん信州者にて夫婦にむすめ一人ひとりつれし千ヶまゐりの平左衞門と申者來りぬ名主なぬし甚兵衞は至て世話好せわずきにて遂に此三人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
斯麼こんな奴に見込まれてはたまらないと思つて、急足いそぎあし伊太利イタリイ銀行の前へ出て折好く来合せた六号の電車に飛乗つてサンタ・マリア・デレ・グラツチイの方にむかつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)