“寺中”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じちゅう63.6%
じちう9.1%
ぢちう9.1%
てらうち9.1%
ジチユウ9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
旅棺というのは、旅さきで死んだ人を棺におさめたままで、どこかの寺中じちゅうにあずけておいて、ある時期を待って故郷へ持ち帰って、初めて葬を営むのである。
世界怪談名作集:18 牡丹灯記 (新字新仮名) / 瞿佑(著)
寺中じちうまたひとツの小堂せうだうあり。ぞく甲胄堂かつちうだうといふ。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其頃岡崎から程近ほどちか黒谷くろたに寺中ぢちう一室ひとまを借りて自炊じすゐし、此処こヽから六条の本山ほんざんかよつて役僧やくそう首席しゆせきを勤めて居たが、亡くなつた道珍和上とも知合しりあひであつたし、う云ふ碩学せきがく本山ほんざんでもはばいた和上わじやう
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
彼らは本国寺の寺中てらうちへ入って行くから、兵馬は寺の門をくぐらず、しばらく遠のいて、門の中を見張っていると、ほどなく井村と新参の浪士と二人は面の相好そうごうを崩して門を出て来ましたが
日は仲春、空は雨あがりの、サワやかな朝である。高原カウゲンの寺は、人の住む所から、オノヅカら遠く建つて居た。唯凡タダオヨソ、百人の僧俗が、寺中ジチユウに起き伏して居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)