“憔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やつ66.7%
11.1%
いぢけ5.6%
5.6%
つか5.6%
やせこ5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
肌寒い春の夕がた私は停車場ステーションの柱によって千代子の悲愁を想いやった。思いなしかこのごろそのひとの顔がどうやらやつれたようにも見える。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
半分なかば開いた歯を見せた口、鼻の下の薄いひげ、スットけた寂し気な頬など、中将の仮面めんは穏かで且つ優雅ではあったけれど、それがかえって物凄かった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
其と同時に、土方や職人や商人や百姓や工女や教師や吏員や學生や、または小ツぽけな生徒などが、何れもいぢけた姿、惶々くわう/\とした樣子で、幻影まぼろしのやうに霧の中をうごめいて行くのが眼に映る。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
恐ろしく不動の形の中にだが、また恐ろしくれてゐる。
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
われ 烈しき森に切につかれて
わがひとに与ふる哀歌 (新字旧仮名) / 伊東静雄(著)
相変らず男の力は四角い両肩に集り、それから下は一本花の茎のようにやせこけた棒立ちの身体つきでいますが、そのまゝ成育して頑張りの利く青年に見えて来ました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)