“憔悴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しょうすい80.3%
やつ5.7%
やつれ5.7%
せうすゐ4.9%
うらがれ0.8%
みすぼら0.8%
やせ0.8%
やみほう0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「今日、里見十左に会った」甲斐は暗い壁のほうへ眼をやりながら云った、「——失明して、躯もすっかり憔悴しょうすいしているようだった」
あか染みた、こわい無精髭が顔中を覆い包んでいるが、鼻筋の正しい、どこか憔悴やつれたような中にも、りんとした気魄きはくほの見えているのだ。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
片端かたはの足を誰にも氣付かれまいと憔悴やつれる思ひで神經を消磨してゐた内儀さんの口惜しさは身を引き裂いても足りなかつた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
其処そこ婿君むこぎみが、紋着もんつきはかまながら、憔悴せうすゐした寝不足ねぶそく血走ちばしり、ばう/\がみやつれたのが、弔扎てうれいをうけにえたのである。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
見れば他のは佐渡牛といふ種類で、一頭は黒く、一頭は赤く、人間の食慾を満すより外には最早もう生きながらへる価値ねうちも無い程にせて、其憔悴みすぼらしさ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
皮肉変色憔悴やせしおれ黄ばんだので、仏目蓮もくれんをして二竜を調伏せしめた(『根本説一切有部毘奈耶』四四)。
あたしい住居じゅうきょうつってから一ねんともたないうちに、わたくしはせめてもの心遣こころやりなる、あのお墓参はかまいりさえもできないまでに、よくよく憔悴やみほうけてしまいました。