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憔悴
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やつれ
ふりがな文庫
“
憔悴
(
やつれ
)” の例文
片端
(
かたは
)
の足を誰にも氣付かれまいと
憔悴
(
やつれ
)
る思ひで神經を消磨してゐた内儀さんの口惜しさは身を引き裂いても足りなかつた。
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
此は——指ざしつゝ——ボナジユンタ、ルッカのボナジユンタなり、またその先のきはだちて
憔悴
(
やつれ
)
し顏は 一九—二一
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
年は五十に近い。
髯
(
ひげ
)
は幾日も
剃
(
そ
)
らないと見えてぼうぼうと延びたままである。いかな
獰猛
(
どうもう
)
も、こう
憔悴
(
やつれ
)
ると
憐
(
あわ
)
れになる。憐れになり過ぎて、逆にまた
怖
(
こわ
)
くなる。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そしてその瞬間だけは、宗教心のない私にも死んだ妻が
憔悴
(
やつれ
)
ながらに優しいあの顔を
綻
(
ほころ
)
ばせてさも楽しげに身近く引き添うていてくれるような気がしてならなかった。
逗子物語
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
おあいは、夫が
殆
(
ほとん
)
ど見ちがえるほど
憔悴
(
やつれ
)
はてたのを、その頬や腰のあたりに見た。
蛾
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
▼ もっと見る
ただ満足そうに心から嬉しそうに幾分
憔悴
(
やつれ
)
の見える頬に
靨
(
えくぼ
)
を
泛
(
うか
)
めていられるばかりであった。そして黙ってチョッキの
隠し
(
ポケット
)
から小さな金時計を出して眺められていた。
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
憔悴
(
やつれ
)
切った
髭面
(
ひげづら
)
を並べて、船室に頬杖突きながら、舷窓越しに逆巻く潮流の壮観さに見惚れていたのであったが、この潮流の中へ捲き込まれてみて初めて、世界の航海者が
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
“憔悴”の意味
《名詞》
憔悴(しょうすい)
痩せ衰えること。やつれること。
(出典:Wiktionary)
憔
漢検1級
部首:⼼
15画
悴
漢検1級
部首:⼼
11画
“憔”で始まる語句
憔
憔忰
憔々
憔心
憔懆
憔萎
憔衰