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憔悴
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やつ
ふりがな文庫
“
憔悴
(
やつ
)” の例文
垢
(
あか
)
染みた、
硬
(
こわ
)
い無精髭が顔中を覆い包んでいるが、鼻筋の正しい、どこか
憔悴
(
やつ
)
れたような中にも、
凛
(
りん
)
とした
気魄
(
きはく
)
が
仄
(
ほの
)
見えているのだ。
地虫
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
気がつくと、夏も妻もみんな一週間のまにすっかり
憔悴
(
やつ
)
れてしまった、それでも妻は気ばかり立っていた。
童子
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
この蛤は非常に
憔悴
(
やつ
)
れてゐるのである。
月に吠える:02 月に吠える
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
まったくあの顔は、貴方生き写しなのですから。でも少し
憔悴
(
やつ
)
れていて、顔に陰影のあり過ぎることと、貴方にあった——抱き潰すような力強さには欠けております。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
頬のにくが落ち、眼ばかりがきらつくななえの顏を見ながら、かんさんも眼じりがたるんで暗みをふくみ出したことも、市村か泊りこむやうになつてからの
憔悴
(
やつ
)
れ方であつた。
渚
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
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この蛤は非常に
憔悴
(
やつ
)
れてゐるのである。
蝶を夢む
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
間もなく、
足萎
(
あしなえ
)
の老人は四輪車を駆ってやって来たが、以前の生気はどこへやらで、先刻うけた
呵責
(
かしゃく
)
のため顔は泥色に
浮腫
(
むく
)
んでいて、まるで別人としか思われぬような
憔悴
(
やつ
)
れ方だった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
ああ、
憔悴
(
やつ
)
れ果て、うらぶれた姿を見たら、誰が、法衣に包まれた昔の検事を思うじゃろうか。だが
儂
(
わし
)
には、そういう気持が、てんで分らんがねえ。自分の起訴が正しかったか正しくなかったかって。
地虫
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
“憔悴”の意味
《名詞》
憔悴(しょうすい)
痩せ衰えること。やつれること。
(出典:Wiktionary)
憔
漢検1級
部首:⼼
15画
悴
漢検1級
部首:⼼
11画
“憔”で始まる語句
憔
憔忰
憔々
憔心
憔懆
憔萎
憔衰