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熟
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じ
ふりがな文庫
“
熟
(
じ
)” の例文
自分は腕組みして
熟
(
じ
)
っとしていたが、我母ながらこれ実に
悪婆
(
あくば
)
であるとつくづく情なく、ああまで済ましているところを見ると、言ったところで
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
異
(
か
)
わったことのおおせ
哉
(
かな
)
。お夏さんは
熟
(
じ
)
ッと見ている。帯も襟も、顔なんざその夕日にほんのりと色がさして、
矢筈
(
やはず
)
の紺も、紫のように見えましたがね。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
貫一は目を側めて遊佐が
面
(
おもて
)
を
熟
(
じ
)
と
候
(
うかが
)
へり。その
冷
(
ひややか
)
に鋭き
眼
(
まなこ
)
の光は
異
(
あやし
)
く彼を襲ひて、
坐
(
そぞろ
)
に熱する怒気を忘れしめぬ。遊佐は
忽
(
たちま
)
ち吾に
復
(
かへ
)
れるやうに覚えて、身の
危
(
あやふ
)
きに
処
(
を
)
るを省みたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
熟
(
じ
)
っとしていると、痛みは消えていった。三十になる頃、心臓が肥大していた。息切れがひどかった。六十になった時には、杖を引いていた。野桜の杖である。ちょっと手頃である。
老人と鳩
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
老人らしく、
熟
(
じ
)
っくり考えこんで
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
宮は
千条
(
ちすぢ
)
の緑の陰より、その色よりは
稍
(
やや
)
白き
面
(
おもて
)
を
露
(
あらは
)
して、追来る人を
熟
(
じ
)
と見たりしが、
竟
(
つひ
)
に疲れて起きも得ざる貫一の、唯手を
抗
(
あ
)
げて
遙
(
はるか
)
に
留
(
と
)
むるを、
免
(
ゆる
)
し給へと
伏拝
(
ふしをが
)
みて、つと茂の
中
(
うち
)
に隠れたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
彼は
熟
(
じ
)
と
内向
(
うつむ
)
きて、目を閉ぢたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
熟
常用漢字
小6
部首:⽕
15画
“熟”を含む語句
熟々
熟視
熟睡
早熟
成熟
爛熟
熟〻
半熟
熟柿
熟練
熟考
熟知
未成熟
黄熟
熟兎
未熟
熟慮
熟達
熟実
熟蝦夷
...