)” の例文
「あの若者わかもの毎日まいにちつっしたきり、ものべずにいる様子ようすだが、あのままいてかつえにになれでもしたら、おてらけがれになる。」
一本のわら (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
宍戸備前守ししどびぜんのかみは、わずかに八人に守られて、もうにの覚悟かくごで戦っている。そこへ、かけつけたのは清兵衛せいべえで、大声にさけんだ。
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
(そとへでれば、こごえて、うえにするだろうから、もう二度とわたしの目のまえにすがたをあらわすことはないだろうさ。)
来年らいねんはるまではいてやるぞ。だが、今夜こんやこの野原のはらでふたりがこごにをしてしまえば、それまでだ。おれは、もう、もう一足ひとあしあるけない。
百姓の夢 (新字新仮名) / 小川未明(著)
つまり、小人はハシバミのやぶへかけていっては、そこからリスの赤ちゃんをつれてきて、うえにしないようにしてやっているのです。
「会いたい。ここでこごにたくない。死んでも兄に会わなければ……」彼は、つぶやいて、凍えた両手を息で暖めた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たとい、城をまくらにするような日がやって来ても、旧本陣の格式はくずしたくないというのがおまんであった。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「二人いればにはしない。一人が一人を助けるからね。持っている者が持っていない者にやれるのだ」
絶食するに至って初めて方便をめぐらすべきである。「三国さんごく伝来の仏祖、一人いちにんも飢ゑにしこごにしたる人ありときかず。」世間衣糧の資は「生得しょうとく命分みょうぶん
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「都のうわさでは御寂しいどころか、御歎きにもなさり兼ねない、御容子ごようすだったとか申していました。」
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
おれたち一家がにしかけても、おれはあんな、あさましい買い出しなんかに出掛けやしないのだから、そのつもりでいてくれ。それはおれの最後の誇りなんだ。
雪の夜の話 (新字新仮名) / 太宰治(著)
娘はどうぞ私がにをいたしましたあとで、おめしつれくださいまし
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
わからねばこそにもせぬ先から、夫に対して不平なのである。不平なさいを気の毒と思わぬほどの道也ではない。ただ妻の歓心を得るためにが行く道を曲げぬだけが普通の夫と違うのである。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かつにさせるつもりなら、それでいいよ!
神棚 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
四月よつき今日けふは狂ひ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
こんなふうでは、このいくさにはとてもてる見込みこみはない。まあ、はたらけるだけはたらいて、あとはいさぎよくにをしよう。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
さむさは、つのるばかりでありました。そして、はらはだんだんいてきました。もはや、この荒野あらのなかで、のたれにをするよりほかになかったのでした。
宝石商 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「正行はそれを見るや、追撃の兵をとめて、あれ救え、こごのうにと、五百余人の敵兵をひきあげて捕虜とした」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
悲しかったのは、清兵衛せいべえばかりでなかった。城兵じょうへいたちはみな悲しかった。このままうえ死にするよりも、いっそのこと、はなばなしく戦ってにがしたかった。
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
わたしたちは、うえにしそうになっていたところをたすけていただいた三羽の子ガラスです。
あの若い灰色ガンが、病気びょうきのまま、たったひとりのこされて、いまにもうえにするのではないかと思いますと、モルテンはみんなといっしょにいくことが、できなくなったのです。
「だれだって、お前、にはしたくない。」とまた半蔵が言い出した。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
達者たっしゃのうちは、せっせとはたらいてやっとそのらし、病気びょうきになってからは、うやわずにいて、ついに、のたれにをしたあわれなおとこがありました。
町の真理 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのいくさは九ねんもつづいて、そのあいだにはずいぶんはげしい大雪おおゆきなやんだり、兵糧ひょうろうがなくなってあやうくにをしかけたり、一てきいきおいがたいそうつよくって
八幡太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
これだけのたくわえがおしまいになれば、わかい王さまはうえにするほかはありません。
味方みかたのこらずにと覚悟かくごをきめたりしたこともありましたが、そのたびごとにいつも義家よしいえが、不思議ふしぎ智恵ちえ勇気ゆうきと、それから神様かみさまのような弓矢ゆみやわざてき退しりぞけて
八幡太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「ぼくたちなんか、まだどうすることもできない子どもだのになあ。ひとりで食べていけなんていわれたって、まだとぶこともできやしないや。ああ、このままうえにするよりほかはない。」
「あっ、ねむってはいけない、よくこれでこごぬのだ。」
夜の進軍らっぱ (新字新仮名) / 小川未明(著)
こうしておりましては、このままあなたのおまえでかつえににんでしまうかもれません。あなたのおちからでどうにかなるものでしたら、どうぞゆめででもおおしくださいまし。
一本のわら (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「青空のつづくかぎり、どこまでもわたしはまいります。かわいいつまと子にめぐりあうまでは、いもいたしますまい。それまでに、ふたりがなくなるか、うえにでもしなければ、おそらくめぐりあうことができましょうから。」
そのうち高丸たかまる田村麻呂たむらまろするど矢先やさきにかかって、乱軍らんぐんの中ににしてしまいました。
田村将軍 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そしておしまいに奥州おうしゅう衣川ころもがわというところで、義経よしつねのためににをしました。
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
こうやっていつまであるいていたところで、しまいにはつかれてかつえにでもするほかはないのだから、すこしでもはやんで、おかあさまのいらっしゃるとおいおくにへ、むかっていただいたほうがいい。
鉢かつぎ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)