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時
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じ
ふりがな文庫
“
時
(
じ
)” の例文
彼
(
かれ
)
の
生活
(
せいくわつ
)
は
此
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
くにして
過
(
す
)
ぎ
行
(
ゆ
)
いた。
朝
(
あさ
)
は八
時
(
じ
)
に
起
(
お
)
き、
服
(
ふく
)
を
着換
(
きか
)
へて
茶
(
ちや
)
を
呑
(
の
)
み、
其
(
そ
)
れから
書齋
(
しよさい
)
に
入
(
はひ
)
るか、
或
(
あるひ
)
は
病院
(
びやうゐん
)
に
行
(
ゆ
)
くかである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
『それから
後
(
のち
)
は』と
帽子屋
(
ばうしや
)
は
悲
(
かな
)
しげな
調子
(
てうし
)
で、『
私
(
わたし
)
の
云
(
い
)
ふことを
聞
(
き
)
かなくなつて
了
(
しま
)
つて!まァ、
何時
(
いつ
)
でも六
時
(
じ
)
のところに
止
(
とま
)
つてゐる』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
寧
(
むし
)
ろ
相
(
あひ
)
反
(
はん
)
した
放縱
(
はうじう
)
な
日頃
(
ひごろ
)
が
自然
(
しぜん
)
に
精神
(
せいしん
)
にも
肉體
(
にくたい
)
にも
急激
(
にはか
)
な
休養
(
きうやう
)
を
與
(
あた
)
へたので
彼
(
かれ
)
は
自分
(
じぶん
)
ながら一
時
(
じ
)
はげつそりと
衰
(
おとろ
)
へた
樣
(
やう
)
にも
思
(
おも
)
はれて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ありますとも、
其処
(
そこ
)
が臨機応変、仏教のいわゆる、「
時
(
じ
)
、
処
(
しょ
)
、
位
(
い
)
」に適する方法に於いて原則を実地に応用しなければなりません。
慈悲
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
四十一
年
(
ねん
)
一
月
(
ぐわつ
)
二十一
日
(
にち
)
の
午前
(
ごぜん
)
九
時
(
じ
)
頃
(
ごろ
)
、
水谷氏
(
みづたにし
)
と
余
(
よ
)
とは、
大森
(
おほもり
)
の
兒島邸
(
こじまてい
)
を
訪問
(
ほうもん
)
した。
然
(
しか
)
るに
翁
(
おう
)
は、
熱海
(
あたみ
)
の
方
(
はう
)
へ
行
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
られて、
不在
(
ふざん
)
。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
「
空
(
そら
)
の
星
(
ほし
)
が、一
時
(
じ
)
に
揺
(
ゆ
)
らぐようじゃ。」と、
仰
(
おお
)
せられたのです。また、その
青
(
あお
)
い
珠
(
たま
)
から
放
(
はな
)
つ、一つ、一つの
光
(
ひかり
)
に、
目
(
め
)
をとめられて
ひすいを愛された妃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
一
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
役
(
やく
)
にもたたぬ
現世
(
げんせ
)
の
執着
(
しゅうちゃく
)
から
離
(
はな
)
れるよう、しっかりと
修行
(
しゅぎょう
)
をして
貰
(
もら
)
いますぞ!
執着
(
しゅうじゃく
)
が
残
(
のこ
)
っている
限
(
かぎ
)
り
何事
(
なにごと
)
もだめじゃ……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
其れが
偶
(
たま/\
)
参政権問題となつて鉾先を示して居るのだと思ふ。従つて又𤍠中の余りに急進派の暴動を生ずるのも一
時
(
じ
)
の過程であらう。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
日附
(
ひづけ
)
は書いてないが
墨色
(
すみいろ
)
も書体も一様でないところを見ると、一
時
(
じ
)
に書いたものでないことが明らかで、
間々
(
まま
)
聯絡
(
れんらく
)
がついている。
狂人日記
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
此
(
こ
)
の
急信
(
きふしん
)
は××
年
(
ねん
)
××
月
(
ぐわつ
)
××
日
(
にち
)
、
午後
(
ごご
)
三
時
(
じ
)
に
屆
(
とゞ
)
いたので、
民子
(
たみこ
)
は
蒼
(
あを
)
くなつて
衝
(
つ
)
と
立
(
た
)
つと、
不斷着
(
ふだんぎ
)
に
繻子
(
しゆす
)
の
帶
(
おび
)
引緊
(
ひきし
)
めて、つか/\と
玄關
(
げんくわん
)
へ。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
私
(
わたし
)
は
自分
(
じぶん
)
の
不安
(
ふあん
)
と
苦痛
(
くつう
)
を
訴
(
うつた
)
へたが、
其
(
それ
)
も
効
(
かひ
)
はなく、
此
(
この
)
まゝ
秘密
(
ひみつ
)
にしてくれと
云
(
い
)
ふ
妻
(
つま
)
の
哀願
(
あいぐわん
)
を
容
(
い
)
れて、
此事
(
このこと
)
は一
時
(
じ
)
其
(
その
)
まゝに
葬
(
はふむ
)
ることにした。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
先生
(
せんせい
)
はもうなくなられていたわけですが、
先生
(
せんせい
)
のおくさまと、なつかしい
思
(
おも
)
い
出話
(
でばなし
)
をしているうちに、
夜
(
よ
)
もふけて十
時
(
じ
)
ごろになりました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
「十一
時
(
じ
)
の
女
(
をんな
)
」、
芥菜
(
からし
)
、
木犀
(
もくせい
)
の花、僞のもつと少ない手足よりも、おまへたちの
方
(
はう
)
がわたしは
好
(
すき
)
だ。
滅
(
ほろ
)
んだ花よ、むかしの花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
一
時
(
じ
)
心配した時子の病氣も、だん/\
快
(
い
)
い方に向って来ると、朝子は毎日ぼんやりした顔をして子供のベッドの裾の方に腰をおろしてゐた。
秋は淋しい
(新字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
六
時
(
じ
)
が七
時
(
じ
)
になつても、
船
(
ふね
)
はひた/\と
波止場
(
はとば
)
の
際
(
きは
)
まで
押
(
お
)
し
寄
(
よ
)
せて
居
(
ゐ
)
ながら、まだなか/\
著
(
つ
)
けさうにない。
其
(
そ
)
のうち
又
(
また
)
しても
銅鑼
(
どら
)
が
鳴
(
な
)
る。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
一
時
(
じ
)
麻雀競技會
(
マアジヤンきやうぎくわい
)
の
常勝者
(
じやうしようしや
)
としてその
技法
(
ぎはふ
)
をたゞ
驚歎
(
きやうたん
)
されてゐた
某
(
それがし
)
が、
支那人式
(
しなじんしき
)
の
仕方
(
しかた
)
からすれば
至極
(
しごく
)
幼稚
(
えうち
)
な
不正
(
ふせい
)
を
行
(
おこな
)
つてゐたことが
分
(
わか
)
るし
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
其
(
その
)
翌朝
(
よくてう
)
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
と
私
(
わたくし
)
とが
目醒
(
めざ
)
めたのは八
時
(
じ
)
※
(
すぎ
)
で
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
は、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
をはじめ
一隊
(
いつたい
)
の
水兵
(
すいへい
)
を
引卒
(
ひきつ
)
れて、
何處
(
いづこ
)
へか
出去
(
いでさ
)
つた
後
(
あと
)
であつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
第一
毎日
(
まいにち
)
六
時
(
じ
)
に
起
(
お
)
き、
寢衣
(
ねまき
)
を
着替
(
きか
)
へ、
蒲團
(
ふとん
)
の
塵
(
ちり
)
を
拂
(
はら
)
ひ、
寢間
(
ねま
)
其外
(
そのほか
)
居間
(
ゐま
)
を
掃除
(
さうじ
)
し、
身體
(
しんたい
)
を
十分
(
じふぶん
)
安靜
(
しづか
)
にして、
朝飯
(
あさはん
)
を
食
(
しよく
)
する
事
(
こと
)
。
養生心得草
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
去
(
さる
)
十三
日
(
にち
)
の
夜
(
よ
)
、
僕
(
ぼく
)
は
獨
(
ひと
)
り
机
(
つくゑ
)
に
倚掛
(
よりかゝ
)
つてぼんやり
考
(
かんが
)
へて
居
(
ゐ
)
た。十
時
(
じ
)
を
過
(
す
)
ぎ
家
(
いへ
)
の
者
(
もの
)
は
寢
(
ね
)
てしまひ、
外
(
そと
)
は
雨
(
あめ
)
がしと/\
降
(
ふ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
時々あわて者が現われて、一
時
(
じ
)
の
昂奮
(
こうふん
)
から要路の大官を狙ったりなどするのは、
畢竟
(
ひっきょう
)
大鵬
(
たいほう
)
の
志
(
こころざし
)
を知らざる
燕雀
(
えんじゃく
)
の行いである。
青年の天下
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
「九
時
(
じ
)
十五
分
(
ふん
)
で
御座
(
ござ
)
います」と
云
(
い
)
ひながら、それなり
勝手口
(
かつてぐち
)
へ
回
(
まは
)
つて、ごそ/\
下駄
(
げた
)
を
探
(
さが
)
してゐる
所
(
ところ
)
へ、
旨
(
うま
)
い
具合
(
ぐあひ
)
に
外
(
そと
)
から
小六
(
ころく
)
が
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
姓は“
時
(
じ
)
”名は“
文彬
(
ぶんぴん
)
”。県民の評判はたいへんよかった。現下世は腐敗の極といわれているものの、なお多くの中には良吏もいたのである。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ちがうでしよう。
女中
(
じょちゅう
)
から
板前
(
いたまえ
)
まで
調
(
しら
)
べてある。
夕方
(
ゆうがた
)
出
(
で
)
かけて、十二
時
(
じ
)
ごろ、タクシーで
帰
(
かえ
)
つたことがわかつている」
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
「新聞に罪はないよ。」男は
徐
(
しず
)
かにこう言い放って、突然立ち上がって、あらゆる陰気な考えを一
時
(
じ
)
に遠く
擲
(
なげう
)
ったらしい様子をして、こう云った。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
又
(
また
)
此短針
(
このたんしん
)
九
時
(
じ
)
と十
時
(
じ
)
との
間
(
あひだ
)
を
半過
(
なかばす
)
ぎて十
時
(
じ
)
の
方
(
はう
)
に
近寄
(
ちかよ
)
り、
長針
(
ちやうしん
)
も
進
(
すゝん
)
で八
時
(
じ
)
の
所
(
ところ
)
に
來
(
きた
)
ればこれを十
時
(
じ
)
前
(
まへ
)
二十
分時
(
ぶんじ
)
と云ふ。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「それは確でございます。ピストルの音にでも驚かなければ、家中の者が一
時
(
じ
)
に眼醒めるようなことはございません」
西班牙の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
井戸
(
ゐど
)
は
車
(
くるま
)
にて
綱
(
つな
)
の
長
(
なが
)
さ十二
尋
(
ひろ
)
、
勝手
(
かつて
)
は
北向
(
きたむ
)
きにて
師走
(
しはす
)
の
空
(
そら
)
のから
風
(
かぜ
)
ひゆう/\と
吹
(
ふき
)
ぬきの
寒
(
さむ
)
さ、おゝ
堪
(
た
)
えがたと
竈
(
かまど
)
の
前
(
まへ
)
に
火
(
ひ
)
なぶりの一
分
(
ぷん
)
は一
時
(
じ
)
にのびて
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
母の手紙で一
時
(
じ
)
萎
(
な
)
えた気が又
振起
(
ふるいおこ
)
って、今朝からの今夜こそは即ち今が其時だと思うと、
漫心
(
そぞろごころ
)
になって、「泊ってかないか?」と私が
常談
(
じょうだん
)
らしくいうと
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
今
(
いま
)
の
今
(
いま
)
まで
張
(
は
)
りつめてゐた
氣
(
き
)
が
一寸
(
ちよつと
)
の
間
(
ま
)
ゆるんで、
彼女
(
かのぢよ
)
は一
時
(
じ
)
の
安心
(
あんしん
)
のためにがつかりしてしまつたのである。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
(暫く物を案ずる様子。)思えばこう感じるのも死にかかっての一
時
(
じ
)
の事かも知れぬが、兎に角今までにこれ程感じた事はないから、己のためには幸福だ。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
その
戦
(
いくさ
)
は九
年
(
ねん
)
もつづいて、その
間
(
あいだ
)
にはずいぶんはげしい
大雪
(
おおゆき
)
に
悩
(
なや
)
んだり、
兵糧
(
ひょうろう
)
がなくなって
危
(
あや
)
うく
餓
(
う
)
え
死
(
じ
)
にをしかけたり、一
時
(
じ
)
は
敵
(
てき
)
の
勢
(
いきお
)
いがたいそう
強
(
つよ
)
くって
八幡太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
流
(
なが
)
し
場
(
ば
)
から細君の声で兼吉はほうきをおいて走っていく。五郎はまぐさをいっせいに乳牛にふりまく。十七、八頭の乳牛は一
時
(
じ
)
に
騒然
(
そうぜん
)
として草をあらそいはむ。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
このうわおいぐつは、なんでもものごとをつきつめてするひとのように、一│
時
(
じ
)
にひとつのことしかできません。詩人になりたいというと、詩人になりました。
幸福のうわおいぐつ
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
時下
(
じか
)
残暑
(
ざんしょ
)
凌
(
しの
)
ぎがたく
候処
(
そうろうところ
)
益〻
(
ますます
)
御清穆
(
ごせいぼく
)
の
御事
(
おんこと
)
と
存上候
(
ぞんじあげそうろう
)
却説
(
さて
)
伯爵様
(
はくしゃくさま
)
折入
(
おりい
)
って
直々
(
じきじき
)
貴殿
(
きでん
)
に
御意得度思召
(
ぎょいえたきおぼしめし
)
に
被在候間
(
あらせられそうろうあいだ
)
明朝
(
みょうちょう
)
九
時
(
じ
)
御本邸
(
ごほんてい
)
へ
御出仕可然
(
ごしゅっししかるべく
)
此段申進候
(
このだんもうしすすめそうろう
)
早々
(
そうそう
)
頓首
(
とんしゅ
)
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
金解禁
(
きんかいきん
)
が
出來
(
でき
)
たならば、
經濟界
(
けいざいかい
)
に一
時
(
じ
)
の
景氣
(
けいき
)
が
出
(
で
)
て
來
(
き
)
はしないかと
言
(
い
)
ふ
人
(
ひと
)
があるが、それは
即
(
すなは
)
ち
過去
(
くわこ
)
六
箇月
(
かげつ
)
間
(
かん
)
爲替相場
(
かはせさうば
)
の
上
(
あが
)
る
爲
(
ため
)
に、
從
(
したがつ
)
て
物價
(
ぶつか
)
の
下
(
さが
)
る
爲
(
ため
)
に
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
カピ長 さゝゝゝゝ、
働
(
はたら
)
け/\! 二
番鷄
(
ばんどり
)
が
啼
(
な
)
いたぞ、
深夜鐘
(
カアヒウ
)
が
鳴
(
な
)
ったわ、もう三
時
(
じ
)
ぢゃ。こりゃアンヂェリカ、
燒饅頭
(
やきまんぢう
)
はよいかの?
費用
(
つひえ
)
は
介意
(
かま
)
ふな、
費用
(
つひえ
)
は。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
と
言
(
い
)
って
父
(
とう
)
さんが
茶
(
ちゃ
)
の
間
(
ま
)
に
掛
(
か
)
かっている
柱時計
(
はしらどけい
)
を
見
(
み
)
に
来
(
き
)
た
頃
(
ころ
)
は、その
時計
(
とけい
)
の
針
(
はり
)
が十
時
(
じ
)
を
指
(
さ
)
していた。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
自分
(
じぶん
)
の一
時
(
じ
)
の
心理
(
しんり
)
を
標準
(
へうじゆん
)
とし、
之
(
これ
)
を
正
(
たゞ
)
しいものと
獨斷
(
どくだん
)
して、
他
(
た
)
の一
時
(
じ
)
の
心理
(
しんり
)
を
否認
(
ひにん
)
することは
兎角
(
とかく
)
誤妄
(
ごもう
)
に
陷
(
おちい
)
るの
虞
(
おそ
)
れがある。これは
大
(
おほい
)
に
考慮
(
かうりよ
)
しなければならぬ
事
(
こと
)
である。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
弾
(
はじ
)
かれた
煎豆
(
いりまめ
)
のように、
雨戸
(
あまど
)
の
外
(
そと
)
へ
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
した
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
は、
酔
(
よ
)
いも一
時
(
じ
)
に
醒
(
さ
)
め
果
(
は
)
てて、一
寸先
(
すんさき
)
も
見
(
み
)
えなかったが、それでも
溝板
(
どぶいた
)
の
上
(
うえ
)
を
駆
(
か
)
けだして、
角
(
かど
)
の
煙草屋
(
たばこや
)
の
前
(
まえ
)
まで
来
(
く
)
ると
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
罪
(
つみ
)
なくして
愆
(
あやま
)
ちを得る者は非常の人、
身
(
み
)
一
時
(
じ
)
に
屈
(
くっ
)
して、
名
(
な
)
後世
(
こうせい
)
に
伸
(
の
)
ぶ。罪ありて
愆
(
あやま
)
ちを
免
(
まぬか
)
るる者は
奸侫人
(
かんねいじん
)
、
志
(
こころざし
)
一時に得て、名後世に
辱
(
は
)
ず。
古
(
いにしえ
)
の
天
(
てん
)
定まりて人に勝つとは
是
(
こ
)
れなり
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
第四 冬寒支体
僵瘃
(
きょうちょく
)
ノ病 雪塊ヲ取テ患部ニ
擦搽
(
さった
)
スレバ即チ
愈
(
い
)
ユ 又臘雪水甘クシテ大寒 天行
時
(
じ
)
疫
(
えき
)
ヲ解シ一切ノ
瘡毒
(
そうどく
)
ヲ療ス ソノ他諸病ニ於テ
必
(
かならず
)
須
(
ま
)
ツ所ニシテ医家欠クベカラズ
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
(年の寒暖によりて遅速あり)四五月にいたれば春の花ども一
時
(
じ
)
にひらく。されば雪中に
在
(
あ
)
る事
凡
(
およそ
)
八ヶ月、一年の
間
(
あひだ
)
雪を
看
(
み
)
ざる事
僅
(
わづか
)
に四ヶ月なれども、全く雪中に
蟄
(
こも
)
るは半年也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
処で今此処に僕は千円の持合せがないし、
東京
(
とうけい
)
へ帰っても至急才覚も出来んのじゃ、就ては貴公誠に迷惑じゃろうが、其の千円の持参金の処を才覚して、一
時
(
じ
)
僕に渡してくれんか
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ええ情ないと、気も張も一
時
(
じ
)
に脱けて、パッタリ地上へひれ伏しておいおい泣出した。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
昨日
(
きのふ
)
の朝東京を立つて、晩は京都へ着き、
祇園
(
ぎをん
)
の宿に一泊して、今日の
正午過
(
ひるす
)
ぎには、大阪の
停車場
(
ステーシヨン
)
の薄暗い待合室で、手荷物を一
時
(
じ
)
預
(
あづ
)
けにしやうとしてゐるところを、
突然
(
いきなり
)
背後
(
うしろ
)
から
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
それで、このお方にともかく一
時
(
じ
)
政
(
まつりごと
)
をおとりになっていただきました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
中途半端の
贋物
(
いかもの
)
ばかりでさ。私も
何日
(
いつ
)
迄もこんなでは詰らないから、自信のある物をも
演
(
や
)
つてみたいとは思ひますが、何しろ一
時
(
じ
)
金
(
かね
)
が入つたに連れて、
生活
(
くらし
)
の程度を身分不相応に引揚げてるでせう。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そしてそれからはこの老婦人を一
時
(
じ
)
實母のやうになつかしんだ。
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
……一
時
(
じ
)
は牛も闘牛師も種切れになるところでごわしたわい。
ノンシャラン道中記:06 乱視の奈翁 ――アルル牛角力の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
五
時
(
じ
)
ごろの
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
わかわかしき
血
(
ち
)
のごとくふりそそぎ
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
時
常用漢字
小2
部首:⽇
10画
“時”を含む語句
一時
何時
時々
当時
少時
暫時
四時
時代
二時
瞬時
時計
當時
往時
常時
幾時
時間
時機
時雨
時分
平時
...