秋は淋しいあきはさびしい
一時心配した時子の病氣も、だん/\快い方に向って来ると、朝子は毎日ぼんやりした顔をして子供のベッドの裾の方に腰をおろしてゐた。そして時子の寝てゐる間は、白いカーテンの巻き上げてある窓の方を見てゐる。 窓からは、毎日のやうに釣台で運ばれて来る …