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不斷着
其日は
二人して
町へ
買物に
出やうと
云ふので、
御米は
不斷着を
脱ぎ
更へて、
暑い
所をわざ/\
新らしい
白足袋迄穿いたものと
知れた。
此の
急信は××
年××
月××
日、
午後三
時に
屆いたので、
民子は
蒼くなつて
衝と
立つと、
不斷着に
繻子の
帶引緊めて、つか/\と
玄關へ。
この
日雨が
上つて、
日脚がさつと
茶の
間の
障子に
射した
時、
御米は
不斷着の
上へ、
妙な
色の
肩掛とも、
襟卷とも
付かない
織物を
纏つて
外へ
出た。