不斷着ふだんぎ)” の例文
新字:不断着
其日そのひ二人ふたりしてまち買物かひものやうとふので、御米およね不斷着ふだんぎへて、あつところをわざ/\あたらしい白足袋しろたびまで穿いたものとれた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
急信きふしんは××ねん××ぐわつ××にち午後ごごとゞいたので、民子たみこあをくなつてつと、不斷着ふだんぎ繻子しゆすおび引緊ひきしめて、つか/\と玄關げんくわんへ。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
このあめあがつて、日脚ひあしがさつとちや障子しやうじしたとき御米およね不斷着ふだんぎうへへ、めういろ肩掛かたかけとも、襟卷えりまきともかない織物おりものまとつてそとた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
モダンの淑女しゆくぢよ……きものは不斷着ふだんぎでも、足袋たび黄色きいろよごれない、だぶ/\しないしわらないのにしてほしい。練出ねりだときことである。はたらくとへば、せつちがふ。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それからあがつて、夜具やぐすそけてあつた不斷着ふだんぎを、寐卷ねまきうへ羽織はおつたなり、とこ洋燈らんぷげた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)