“ぢいさん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
老爺25.0%
爺様16.7%
老人8.3%
老父8.3%
爺樣8.3%
祖樣8.3%
祖父8.3%
祖父樣8.3%
老夫8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この正直な、働くことの好きな、獨身者ひとりもの老爺ぢいさんは、まるで自分の子か孫のやうに私を思つて呉れました。恐らく太助が私を愛して居たことは、お牧の比では無かつたのでせう。
爺様ぢいさん! 何うだね」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
主人しゆじん内儀かみさんは一おう被害者ひがいしやはなしをつけてた。被害者ひがいしや家族かぞく律義者りちぎものみなげきつてる。七十ばかりに被害者ひがいしや老人ぢいさんこと頑固ぐわんこ主張しゆちやうした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
老人ぢいさん憤慨ふんがいへぬやうにかためたこぶしひざがしらへてゝいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あつちややうや内儀かみさんのまへまれた。被害者ひがいしや老父ぢいさん座敷ざしきすみ先刻さつきからこそ/\とはなしをしてる。さうしてさら老母ばあさんんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「わしや、一剋者いつこくものだからお内儀かみさんわるおもはねえでおくんなせえ」老父ぢいさんもいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
これ大弓場だいきうば爺樣ぢいさんなり。ひとへば顏相がんさうをくづし、一種いつしゆ特有とくいうこゑはつして、「えひゝゝ。」と愛想あいさうわらひをなす、其顏そのかほては泣出なきださぬ嬰兒こどもを——、「あいつあ不思議ふしぎだよ。」とお花主とくい可愛かはいがる。
神楽坂七不思議 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
其樣そんうそくもんぢやない。お祖樣ぢいさんは能く知ツてゐるぞ。其の螢籠はんだ、」失敗しまツた! 自分は螢籠を片手にぶらさげてゐた。うなツてはもう爲方しかたが無い。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ひとりでそれを心配して、孫や孫やとしきりに重右衛門ばかりを力にして、何うか貴様は、親父おやぢのやうに意気地なしには為つて呉れるな、祖父ぢいさんの代の田地でんちを何うか元のやうに恢復くわいふくして呉れと
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
「いゝえ、お祖父樣ぢいさん、私は螢をつかまへに行くのでは無いのです。つい其處そこまで…… あの、お隣家となりの太一さんのとこまで行くのです。」
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
船頭の老夫ぢいさんは艫の方に立上つて、戕牁かしぐひに片手をかけて今や舟を出さうとしてゐながら、片手を挙げて、乗らないか乗らないかと云つて人を呼んでゐる。
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)