“じいさん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
爺様41.2%
祖父11.8%
老爺11.8%
祖父様5.9%
老人5.9%
老爺様5.9%
祖先5.9%
老夫5.9%
老翁5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
青眼爺様じいさんは白髪小僧の藍丸王が飲み干した盃を受け取って、傍の小供に渡すと直ぐに又眼くばせをして、六人の小供を皆遠くの廊下へ退しりぞけて、ただひとり王の前にひざまずいて恐る恐る口を開いた——
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
第一てまえがもうこういう内にも、(難有ありがたう)といって、人の志を無にせん風で、最中もなかを取って、親か、祖父じいさんの前ででもあるように食べなすった可愛らしさが、今でも眼前めさきにちらついてならんでがすて。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして、その時働いてくれた寺男が今彼等の墓の前に樒を飾ったり線香を立てたりしてくれたその老爺じいさんだ。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
西国とは何だえ、西国とは西の国だ、そんな遠い処へひょこ/\こうと云うのは屹度きっと連れが有るに相違ない、えゝ私は永い間お祖父様じいさんの時分から勤めたのだが
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
山「はい私の祖父様じいさんがおかゝえに成りましたのだそうでございますが、足軽から段々お取立に成りまして、お目見得めみえ近くまで成りました、名は白島山平と申しまする者でございます」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
加藤の家へも梅干飴うめぼしあめを持って帰ってやると、老人じいさん老婆ばあさん大悦おおよろこびで、そこの家でも神棚かみだなに総燈明をあげて、大きな長火鉢を置いた座敷が綺麗きれいに取りかたづけられて
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「うむ、好い人です」老人じいさんまでが今夜は老婦おかみさんに和してお宮の美しく温順しやかなことをほめた。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「こう老爺様じいさんまあ待ちねえ、婆様ばあさんちょいと。」と呼留めて、売溜うりだめの財布より銅貨四銭取出とりいだし、二人の手にわかち与えて
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
婦人おんなは気色を変えて、「老爺様じいさん。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
昔の祖先じいさんたちが土下座をして大名の行列を拝んでいるところへ行って、今から後にはお大名だとか将軍様だとかいうものがなくなって
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
船頭の老夫じいさんともの方に立上たちあがって、戕牁かしぐいに片手をかけて今や舟を出そうとしていながら、片手を挙げて、乗らないか乗らないかといって人を呼んでいる。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この老人がその小さな丸い目を杉のもりの薄暗い陰でビカビカひからせて、黙って立っているのを見るとだれも薄気味の悪い老翁じいさんだと思う、それが老翁じいさんばかりでなく「杉の杜」というのが
河霧 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)