祖父ぢぢ)” の例文
祖父ぢぢはわたくしの申したことが聞こえた顔もせず、筆を筆立へ納めて、大欠伸おほあくびをし、母に命じていた書物かきものを待たせて置いた小僧にやらせました。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
わたくしおさな時分じぶんには祖父ぢぢ祖母ばばもまだ存命ぞんめいで、それはそれはにもれたいほどわたくし寵愛ちょうあいしてくれました。
二山の瓜を運びて、 舟いだす酒のみの祖父ぢぢ
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
こゝは祖父ぢぢ書物かきものをする書斎で、母は中に取り散らした紙や本などの片づけに来たのでした。祖父ぢぢは今思つて見れば、此時原稿の校正をして居りましたのでした。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
私はお祖父ぢぢさまの、機嫌きげんのよくなつたを見済まして、そばへすりよりて、財布の中をのぞました。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)