“ぢゞい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
57.1%
祖父28.6%
老爺14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
渡船小屋は疎らな林の縁にあつて、此方から呼ぶと、ぢゞいが声に応じて出て来た。舟は渦を衝いて凄じく流れる。それを爺は巧に棹にさゝへて、岸へ/\と近寄つて来る。
草津から伊香保まで (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
祖父ぢゞいは四かくをばんだひとでござんす、つまりはわたしのやうな氣違きちがひで、ゑきのない反古紙ほごがみをこしらへしに、はんをばおかみからめられたとやら、ゆるされぬとかに斷食だんじきしてんださうに御座ござんす
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ひかけて、左右さいうる、とほりくさばかりではく、だまつて打傾うちかたむいて老爺ぢゞいた。それを、……雪枝ゆきえたしか面色おもゝちであつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
雪枝ゆきえ老爺ぢゞいこれかたとき濠端ほりばたくさ胡座あぐらした片膝かたひざに、握拳にぎりこぶしをぐい、といてはら波立なみたつまで気兢きほつてつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)