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ちいさ
ふりがな文庫
“
幼
(
ちいさ
)” の例文
尫弱
(
ひよわ
)
かった
幼
(
ちいさ
)
い頃の房吉の養育に、気苦労の多かったことなどを言立てる隠居の
言
(
ことば
)
を、好い加減に房吉は聞流していた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
家を出て円タクを呼留めて、車中の人になると、野村の頭には、之という
理由
(
わけ
)
もなく、
幼
(
ちいさ
)
い時の事が思い浮んで来た。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
「
幼
(
ちいさ
)
い時からそうだったよ。明るい華やかの事ばかりをお前は好いておりましたよ。夏彦様のご気象のようにねえ」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
すさんだ家庭に
幼
(
ちいさ
)
いから
辛
(
つら
)
い目に会って来た肇はふっくりした、
焼立
(
やきた
)
てのカステーラみたいに香り高い甘味のある
千世子(二)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
どうもハッキリ覚えていませんのですけれど、
幼
(
ちいさ
)
いときあたくしの見た父は、右足がわるくて、かなりひどく足を
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
どうも
何
(
なん
)
だか唯泣いてばかりいては訳が分らないじゃアないか、冗談じゃない、又お
母
(
っかあ
)
と喧嘩でもしたのだろう、お前のお母のあの通りの気性は
幼
(
ちいさ
)
い時分から知ってるじゃアないか
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
榎
(
えのき
)
の実に
団栗
(
どんぐり
)
ぐらい拾いますので、ずっと中へ入りますれば、栗も
椎
(
しい
)
もございますが、よくいたしたもので、そこまでは、
可恐
(
こわ
)
がって、お
幼
(
ちいさ
)
いのは、おいたが出来ないのでございます。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「でも、あなたは
幼
(
ちいさ
)
いうちは方々へ出かけたことがあるでせう?」
毒気
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
こうした仲の
睦
(
むつ
)
まじい時、よく双方の親兄弟の
噂
(
うわさ
)
などが出る。
親戚
(
みうち
)
の話や、自分らの
幼
(
ちいさ
)
い折の話なども出た。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
というのは、二川重明の亡父
重行
(
しげゆき
)
は、やはりもう故人になった野村儀作の父
儀造
(
ぎぞう
)
と、
幼
(
ちいさ
)
い時からの学校友達であり、後年儀造は二川家の顧問弁護士でもあった。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
お累が云うのに
汝
(
てめえ
)
は隠して居る、汝はなぜ
然
(
そ
)
うだ、
幼
(
ちいさ
)
い
中
(
うち
)
から面倒を見て
遣
(
や
)
ったのに
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
旦那さん——堪忍して……あの道々、あなたがお
幼
(
ちいさ
)
い時のお話もうかがいます。
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私の
幼
(
ちいさ
)
い頃、この室へ来ぬ前に、弟と一緒に弾いた七弦琴の音がする。(
一層
(
ひときわ
)
高く七弦琴鳴る。その音絶えると同時に、堅き鉄の扉は
自
(
おのず
)
と開けて一人の愛らしき少年現われる。手に七弦琴を持つ)
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
四十代時分には、時々若い
遊人
(
あそびにん
)
などを
近
(
ちかづ
)
けたと云う噂のある隠居は、おゆうが嫁に来るまでは、
幼
(
ちいさ
)
い時から甘やかして育てて来た
子息
(
むすこ
)
の房吉を、
猫可愛
(
ねこかわゆ
)
がりに愛した。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
家が近所にあったところから、
幼
(
ちいさ
)
いおりの
馴染
(
なじみ
)
であった、おかなと云うその女が、まだ東京で商売に出ている時分、兄は女の名前を腕に
鏤
(
えり
)
つけなどして、嬉しがっていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
幼
(
ちいさ
)
い芳太郎を育てて来ても、芳太郎の
頭脳
(
あたま
)
にはまだ田舎にいる母親のことが、時々憶い出されているということや、今の親父と折合いの悪いことなどを言い出して
零
(
こぼ
)
した。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
幼
常用漢字
小6
部首:⼳
5画
“幼”を含む語句
幼児
幼少
幼稚
幼馴染
幼名
幼心
幼兒
幼稚園
幼童
幼時
幼子
幼穉
幼々
幼年
幼気
童幼
幼女
幼弱
老幼男女
老幼
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