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幼稚
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ようち
ふりがな文庫
“
幼稚
(
ようち
)” の例文
それに対してO市の町の灯の列はどす赤く、その腰を
屏風
(
びょうぶ
)
のように背後の南へ拡がるじぐざぐの
屏嶺
(
へいれい
)
は
墨色
(
すみいろ
)
へ
幼稚
(
ようち
)
な
皺
(
しわ
)
を険立たしている。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
その頃は私が
幼稚
(
ようち
)
な上に、世間がまだそれほど進んでいなかったので、私のやり方は実際やむをえなかったのです。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
此時分
(
このじぶん
)
の
發掘法
(
はつくつはふ
)
といふのは、
幼稚
(
ようち
)
なもので、幻花
子
(
し
)
はハンマーでこつこつ
掘
(
ほ
)
つて、
布呂敷
(
ふろしき
)
で
貝殼
(
かひがら
)
を
渫
(
しやく
)
ひ
出
(
だ
)
す
位
(
くら
)
ゐ。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
板も手ごしらえであろう、字ももちろん自分で書いたものらしい、しろうとくさい
幼稚
(
ようち
)
な字だ。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
日本語より英語の方が
幼稚
(
ようち
)
ではあるが、使う場合が多かったものですからちょっと出やすい。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
▼ もっと見る
うたちゃんは、三人兄弟の末で、来年からは
幼稚
(
ようち
)
園へ行こうというのですが、早くから、自分ではお
姉
(
ねえ
)
ちゃん気どりで「えいちゃん」「えいちゃん」と、自分をよんでいます。
「の」の字の世界
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
ゆるやかな
単純
(
たんじゅん
)
な
幼稚
(
ようち
)
な歌で、重々しい
寂
(
さび
)
しげな、そして少し
単調
(
たんちょう
)
な足どりで、決して
急
(
いそ
)
がずに進んでゆく——時々長い間やすんで——それからまた
行方
(
ゆくえ
)
もかまわず進み
出
(
だ
)
し
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
これはかつて竹童が、
人穴城
(
ひとあなじょう
)
へ使者としていったとき、
呂宋兵衛
(
るそんべえ
)
の前でやって見せたことのある初歩の
幻術
(
げんじゅつ
)
、きわめて
幼稚
(
ようち
)
なものであるが、蛾次郎ははじめてなのでおどろいた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今の子供たちにくらべると、これがほんとうの「
幼稚
(
ようち
)
」と云うのかも知れません。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
實
(
じつ
)
にこの
地震計
(
ぢしんけい
)
の
發明
(
はつめい
)
は、それまで
極
(
きは
)
めて
幼稚
(
ようち
)
であつた
地震學
(
ぢしんがく
)
が
本當
(
ほんとう
)
の
學問
(
がくもん
)
に
進歩
(
しんぽ
)
した
基
(
もとゐ
)
であるので、
單
(
たん
)
に
此
(
この
)
一點
(
いつてん
)
からみても、
地震學
(
ぢしんがく
)
は
日本
(
につぽん
)
に
於
(
おい
)
て
開
(
ひら
)
けたといつても
差支
(
さしつか
)
へないくらゐである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
幼稚
(
ようち
)
なアンビシューに支配されないで。でなければ、小説なんか書きなさいますなよ。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ずいぶんいやしい職業のようにも思われる。しかし人が平気でやることを自分にばかりできないわけはない。いやだと思うのは自分の
幼稚
(
ようち
)
なのだ。どうしたって自分は医者にならねばならぬのだ。
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
幼
常用漢字
小6
部首:⼳
5画
稚
常用漢字
中学
部首:⽲
13画
“幼稚”で始まる語句
幼稚園
幼稚意
幼稚心
幼稚拙劣