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こども
見やりて父は打笑ひ
勝た樣でも
未幼稚兎角縁談の事
等は
恥しいのが先に立ゆゑ
判然返事も出來ぬ物だが一
生連添本夫の事
否な者をば
無理やりに行とは決して言はせねど
昨日向ふは
其方を
聞定て來て參ますから成程是は
大人より
幼稚の
方が遠慮がなくて聞には
至極能らうから何分頼と
管伴に云はれて心得
打點頭優たる和吉は其儘に立出音羽へ至しが
何處で
問んと思案に
暮先大藤が住居なる路次へ思はず入にけり
其まゝ
持返らば
和郎は
幼稚の
使に
等しく主人に言譯あらざる可し
就ては一度
受納したれど
此方は見らるゝ如くにて
親子の
外に人もなければ結納持せて遣難し依て此まゝ此金は其
婿殿に
上下料に送りたりとて返し給ひぬ然すれば
和郎の役目も
立んと信あり義あり何から何まで拔目のあらざる
言葉に
感じ忠兵衞は
只拜々と言受なして金を