しやく)” の例文
新字:
彼の郷里、徳島市の本行寺にある墓碑には、上の院號は忘れたが、たしか下の法名は“しやく蛙水居士あすゐこじ”といふのであつた。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
しやく釈につくるの外、たくを沢、驛をえきつくるぞくなり、しかれども巻中えきたくの字多し。しばらくぞくしたがうて駅沢に作り、以梓繁しはんはぶく。省字せうじは皆古法こほふしたがふ。
並背なみぜいにていが栗の頭髮つむりも思ひなしか俗とは變りて、藤本信如ふぢもとのぶゆきよみにてすませど、何處やらしやくといひたげの素振なり。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しやく釈につくるの外、たくを沢、驛をえきつくるぞくなり、しかれども巻中えきたくの字多し。しばらくぞくしたがうて駅沢に作り、以梓繁しはんはぶく。省字せうじは皆古法こほふしたがふ。
〔譯〕けいを讀むは、宜しく我れの心を以て經の心を讀み、經の心を以て我の心をしやくすべし。然らずして徒爾とじ訓詁くんこ講明かうめいするのみならば、便すなはち是れ終身かつて讀まざるなり。
並背なみぜいにていがぐり頭髮つむりおもひなしかぞくとはかはりて、藤本信如ふぢもとのぶゆきよみにてすませど、何處どこやらしやくといひたげの素振そぶりなり。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
〔譯〕物我ぶつがたいは即ち是れ仁なり。我れ公情こうじやうつて以て公事を行ふ、天下服せざる無し。治亂ちらんは公と不公とに在り。しう子曰ふ、おのれに公なる者は人に公なりと。伊川いせん公理こうりを以て仁の字をしやくす。