しやく)” の例文
温泉場をんせんば普請ふしんでもときには、下手へた大工だいく真似まねもする。ひまにはどぜうしやくつてくらすだが、祖父殿おんぢいどんは、繁昌はんじやうでの、藩主様とのさま奥御殿おくごてんの、お雛様ひなさまこさへさしたと……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
食べものを運ぶホークに、二本の筋のある斷片的な鼻と口とがうつり、齒が光ることがある。それより面白いのは小さな匙に、透明な液體とともにしやくひあげた小人こびとの自分の顏。
鏡二題 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
ぶたにくこまかくたゝいて、擂鉢すりばちであたつて、しやくしでしやくつて、てのひらへのせて、だんごにまるめて、うどんをなすつてそれからねて……あゝ、つてください、もし/\……そのあらつてありますか
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)