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笏
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しやく
ふりがな文庫
“
笏
(
しやく
)” の例文
そこで唯頭を垂れた儘、
唖
(
おし
)
のやうに黙つてゐました。すると閻魔大王は、持つてゐた鉄の
笏
(
しやく
)
を挙げて、顔中の
鬚
(
ひげ
)
を逆立てながら
杜子春
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして、
笏
(
しやく
)
を胸のところに両手で捧げ持ち、多少とも気を張つて真正面をむいて歩くのは、かなり努力の要ることだつた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
風折烏帽子
(
かざをりえぼし
)
に
淨衣
(
じやうえ
)
、
利休
(
りきう
)
を穿いて、右の手に
笏
(
しやく
)
を持つてゐる。出入の度に門の敷居を跨ぐ時、「えへん、えへん」と
空咳
(
からぜき
)
をするのが、この人の癖であつた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
赤熊百合
(
しやぐまゆり
)
、王の
御座所
(
ござしよ
)
の
天幕
(
てんと
)
の
屋根飾
(
やねかざり
)
、夢を
鏤
(
ちりば
)
めた
笏
(
しやく
)
、
埃及王
(
ばろ
)
の
窮屈
(
きゆうくつ
)
な禮服を無理に
被
(
き
)
せられた
古風
(
こふう
)
な
女王
(
ぢよわう
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
神官
(
しんくわん
)
が
卓
(
しよく
)
の
横手
(
よこて
)
へ
座
(
ざ
)
を
換
(
かへ
)
て
一寸
(
ちよつと
)
笏
(
しやく
)
で
指圖
(
さしづ
)
をすると
氏子
(
うぢこ
)
の
總代等
(
そうだいら
)
が
順次
(
じゆんじ
)
に
榊
(
さかき
)
の
小枝
(
こえだ
)
の
玉串
(
たまくし
)
を
持
(
も
)
つて
卓
(
しよく
)
の
前
(
まへ
)
に
出
(
で
)
て
其
(
そ
)
の
玉串
(
たまくし
)
を
捧
(
さゝ
)
げて
拍手
(
はくしゆ
)
した。
彼等
(
かれら
)
は
只
(
たゞ
)
怖
(
お
)
づ/\して
拍手
(
はくしゆ
)
も
鳴
(
な
)
らなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
勤
(
つとむ
)
る事は正四位上中將の官ならでは
能
(
あた
)
はず其時には假官をなし大納言と爲るなり扨御笏代りとは北の御門參殿の
節
(
せつ
)
笏
(
しやく
)
にて
禁中
(
きんちう
)
の間毎々々に垂ある
簾
(
みす
)
を揚て通行在せらることにて恐れ多くも
龍顏
(
りうがん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
持ちも習はぬ
笏
(
しやく
)
もちて
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは神官の着るやうな
袍
(
はう
)
だの
指貫
(
さしぬき
)
に模したものだつた。おまけに、ボール紙で造つた黒い冠、
笏
(
しやく
)
の形をした板切れ、同じく木製の珍妙な
沓
(
くつ
)
だのいふ品々が揃つてゐた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
覚束
(
おぼつか
)
ない行燈の光の中に、象牙の
笏
(
しやく
)
をかまへた
男雛
(
をびな
)
を、冠の
瓔珞
(
やうらく
)
を垂れた
女雛
(
めびな
)
を、右近の
橘
(
たちばな
)
を、左近の桜を、
柄
(
え
)
の長い日傘を
担
(
かつ
)
いだ
仕丁
(
しちやう
)
を、眼八分に
高坏
(
たかつき
)
を捧げた官女を、小さい
蒔絵
(
まきゑ
)
の鏡台や箪笥を
雛
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
笏
(
しやく
)
の
牙
(
げ
)
も、ゆがみたわめり
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
笏
(
しやく
)
の
牙
(
げ
)
も、ゆがみたわめり。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
“笏”の解説
笏(しゃく)とは、日本において束帯の着用の際、右手に持つ細長い板である。
(出典:Wikipedia)
笏
漢検1級
部首:⽵
10画
“笏”を含む語句
王笏
支笏
笏杖
蛇笏
仲笏
御笏
御笏代
法笏
笏代
笏形
笏拍手
笏梧朗