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掬
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しゃく
ふりがな文庫
“
掬
(
しゃく
)” の例文
などと、頤で
掬
(
しゃく
)
って、
桝
(
ます
)
を指した。そこには女学校に通うているらしい十七、八の桃割の、白い襟首と肥えた白い頬とが側面から見えた。
性に眼覚める頃
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
この度の娘の父は、さまでにもなけれども、小船一つで網を打つが、
海月
(
くらげ
)
ほどにしょぼりと拡げて、泡にも足らぬ小魚を
掬
(
しゃく
)
う。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
入口に立っていた男は、「ふん」と鼻の先で顎を
掬
(
しゃく
)
った。
曲亭馬琴
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
大きな
折烏帽子
(
おりえぼし
)
が、妙に小さく見えるほど、頭も顔も大の悪僧の、鼻が
扁
(
ひらた
)
く、口が、例の
喰
(
くい
)
しばった
可恐
(
おそろ
)
しい、への字形でなく、唇を下から上へ、への字を反対に
掬
(
しゃく
)
って
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
与十
大
(
でか
)
い事をしたぞ。へい、雪さ豊年の
兆
(
しるし
)
だちゅう、
旱
(
ひでり
)
は
魚
(
うお
)
の当りだんべい。大沼小沼が干たせいか、じょんじょろ水に、びちゃびちゃと泳いだ処を、ちょろりと
掬
(
しゃく
)
った。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「いらっしゃい。」と……水へ投げて
海津
(
かいず
)
を
掬
(
しゃく
)
う、
溌剌
(
はつらつ
)
とした声なら
可
(
い
)
いが、海綿に染む
泡波
(
あぶく
)
のごとく、投げた歯に舌のねばり、どろんとした調子を上げた、
遣手部屋
(
やりてべや
)
のお
媼
(
ば
)
さんというのが
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「……
然
(
そ
)
うだ、
姉
(
あね
)
え。
恁
(
こ
)
う言ふ時だ、
掬
(
しゃく
)
つた月影は
何
(
ど
)
うしたい。」
光籃
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
赤熊は
指揮
(
さしず
)
する体に頤で
掬
(
しゃく
)
って
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“掬”の意味
《動詞》
掬する(きくする)
両方の手の平で水をすくう。
事情を推測する。
深い趣を感じ取り、楽しむ。
(出典:Wiktionary)
掬
漢検準1級
部首:⼿
11画
“掬”を含む語句
一掬
掬上
掬出
八掬脛
掬樹
掬摸
十掬
掬汀
掬網
掬水園
掬水楼
掬投
掬飲
田口掬汀
砂掬
雑魚掬
鰌掬
掬月
掬摸児
掬取
...