こん)” の例文
こん変様かはりやうをする位なら、寧ろ依然やはり『眠れる都会』であつて呉れた方が、自分並びに『美しい追憶の都』のために祝すべきであるのだ。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
中にはただ何となく上代の国ぶりを悦ぶ類であるが、こんなことでは真に『万葉』の趣味を解して居るものとは元とより言われない
子規と和歌 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
などとやつてのけるたねになるのだが、自分は毛頭こんな感じは起さなんだ。何故なぜといふまでもない。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
などとやつてのける種になるのだが、自分は毛頭こんな感じは起さなんだ。何故といふまでもない。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
暫らく其材木のはしに腰掛けて、昔の事を懷うて見ようかとも思つたが、イヤ待てこんな晝日中に、宛然さながら人生の横町とつた樣な此處を彷徨うろついて何か明處あかるみで考へられぬ事を考へて居るのではないかと
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
イヤ待てこんな昼日中に、宛然さながら人生の横町と謂つた様な此処を彷徨うろついて何か明処あかるみで考へられぬ事を考へて居るのではないかと、通りがかりの巡査に怪まれでもしては、一代の不覚と思ひ返して止めた。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)