“此家(こん)” の例文
奴(やっこ)、黙って漕げ、何ともするもんじゃねえッて、此家(こん)の兄哥(あにや)が、いわっしゃるで、どうするもんか。おら屈(かが)んでな、密(そっ)とその火を見てやった。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
気を確(たしか)に持たっせえ、弱い音(ね)を出しやあがるなッて、此家(こん)の兄哥(あにや)が怒鳴るだけんど、見す見す天竺(てんじく)へ吹き流されるだ、地獄の土でも構わねえ、陸(おか)へ上(あが)って呼吸(いき)が吐(つ)きたい
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)