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混
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こん
ふりがな文庫
“
混
(
こん
)” の例文
すなわち感情が事実に
混
(
こん
)
じやすい。ゆえに事実を冷静に客観的に述べないで、あるいは
厭味
(
いやみ
)
を付加したりあるいは喜ぶ意を含ましめたりする。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
漬
(
つ
)
けた
玉菜
(
たまな
)
や、ランプの
燻
(
いぶり
)
や、
南京蟲
(
なんきんむし
)
や、アンモニヤの
臭
(
にほひ
)
が
混
(
こん
)
じて、
入
(
はひ
)
つた
初
(
はじ
)
めの一
分時
(
ぷんじ
)
は、
動物園
(
どうぶつゑん
)
にでも
行
(
い
)
つたかのやうな
感覺
(
かんかく
)
を
惹起
(
ひきおこ
)
すので。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
夜のやみにゴウゴウと林の鳴る音がものすごい、烈風にまきあおられた砂が、小石を
混
(
こん
)
じてつぶてのように顔をうつ。一同は生きた心地もない。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
自由主義、自由恋愛、自由貿易、——どの「自由」も生憎杯の中に多量の水を
混
(
こん
)
じてゐる。しかも大抵はたまり水を。
侏儒の言葉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼
(
かれ
)
は、
最初
(
さいしょ
)
、
純金
(
じゅんきん
)
の
細
(
ほそ
)
い
線
(
せん
)
でためしました。しかし、その
音色
(
ねいろ
)
は、あまりに
澄
(
す
)
んで、
冴
(
さ
)
えきっています。つぎに、
金
(
きん
)
と
銀
(
ぎん
)
と
混
(
こん
)
じて
細
(
ほそ
)
い
線
(
せん
)
を
造
(
つく
)
りました。
楽器の生命
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
その
帶
(
たい
)
の
特徴樹種
(
とくちようじゆしゆ
)
はぶなですが、その
外
(
ほか
)
におほなら、みづなら、とち
等
(
など
)
の
落葉濶葉樹
(
らくようかつようじゆ
)
を
混
(
こん
)
じてゐることもあり、
地方
(
ちほう
)
によつてはひのき、さわら、ひば
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
貝塚
(
かひづか
)
に
彌生式
(
やよひしき
)
が
混
(
こん
)
じたと
言
(
い
)
はうよりも、
彌生式土器
(
やよひしきどき
)
の
出
(
で
)
る
貝塚
(
かひづか
)
に、
他
(
た
)
の
土器
(
どき
)
が
混
(
こん
)
じたと
言
(
い
)
ひたい
位
(
くらゐ
)
の
分量
(
ぶんりやう
)
である。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
大森貝塚の
發見者
(
はつけんしや
)
たるモールス氏は此貝塚より出でたる人骨を撿して食人の証を
列擧
(
れつきよ
)
せり。一に曰く人骨は
他動物
(
たどうぶつ
)
の
遺骨
(
ゐこつ
)
と共に食餘の貝殼に
混
(
こん
)
して散在す。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
さればこそ
潘
(
はん
)
爺
(
じい
)
さんの酒へは微量な眠り薬を
混
(
こん
)
じ、巧雲へすすめたお
銚子
(
ちょうし
)
のものへは
媚薬
(
びやく
)
を入れてあったのだ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ちょうどこんな
粗末
(
そまつ
)
な
石器
(
せつき
)
を
造
(
つく
)
つたことがあつてもよいし、またこんな
石片
(
せつぺん
)
の
中
(
うち
)
にも、
人間
(
にんげん
)
の
手
(
て
)
を
加
(
くは
)
へたものが
混
(
こん
)
じてゐることだけは
認
(
みと
)
めなければなりません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「そんな下らない話ぢやありませんよ。親分が妙なところへ誘ひ込むから、ツイ話が
混
(
こん
)
がらかるんで」
銭形平次捕物控:198 狼の牙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
家々の軒下を潜るやうにして走つたり、又暫らく銀行の石段で雨宿りしたりしてゐたが、思ひ切つて鈴成りに
混
(
こん
)
だ電車に乘つた時は圭一郎は濡れ鼠のやうになつてゐた。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
汝、
六五
家を出でて
仏
(
ほとけ
)
に
婬
(
いん
)
し、
六六
未来
(
みらい
)
解脱
(
げだつ
)
の利慾を願ふ心より、
六七
人道
(
にんだう
)
をもて
因果
(
いんぐわ
)
に引き入れ、
六八
堯舜
(
げうしゆん
)
のをしへを
釈門
(
しやくもん
)
に
混
(
こん
)
じて
朕
(
われ
)
に説くやと、御声あららかに
告
(
の
)
らせ給ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
牡牛のうめき声、子牛の鳴き声等あい
混
(
こん
)
じてにぎやかである。いずれもいずれも最後の
飼葉
(
かいば
)
としていま当てがわれた
飼桶
(
かいおけ
)
をざらざらさも忙しそうに音をさせてねぶっている。主人は
雇人
(
やといにん
)
に
去年
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
為
(
た
)
めに一人も
中毒
(
ちうどく
)
に
逢
(
あ
)
ひしものなし、此他
飯
(
めし
)
の如き如何なる下等米と
雖
(
いへど
)
も如何なる
塵芥
(
じんかい
)
を
混
(
こん
)
ずると雖も、其味の
佳
(
か
)
なる山海の
珍味
(
ちんみ
)
も及ばざるなり、余の小食家も
常
(
つね
)
に一回凡そ四合を
食
(
しよく
)
したり
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
恁
(
かく
)
て島田なり、
丸髷
(
まるわげ
)
なり、よきに従ひて出来あがれば起ちて、まづ、湯具を
絡
(
まと
)
ふ、これを
二布
(
ふたの
)
といひ
脚布
(
こしまき
)
といひ女の言葉に湯もじといふ、但し
湯巻
(
ゆまき
)
と
混
(
こん
)
ずべからず、湯巻は別に其ものあるなり。
当世女装一斑
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
乳
(
ちゝ
)
を
混
(
こん
)
ぜざる
濃茶
(
のうちや
)
を
喜
(
よろこ
)
び、
水
(
みづ
)
を
割
(
わ
)
らざる
精酒
(
せいしゆ
)
を
飮
(
の
)
み、
沈鬱
(
ちんうつ
)
にして
敢爲
(
かんい
)
、
堅
(
かた
)
く
國立
(
こくりつ
)
の
宗教
(
しゆうきよう
)
を
持
(
ぢ
)
し、
深
(
ふか
)
く
祖先
(
そせん
)
の
業
(
げふ
)
を
重
(
おも
)
んず、
工業
(
こうげう
)
甚
(
はなは
)
だ
盛
(
さかん
)
ならざるが
故
(
ゆゑ
)
に
中等社界
(
ちうとうしやくわい
)
の
存
(
そん
)
するところ
多
(
おほ
)
くは
粗朴
(
そぼく
)
なる
農民
(
のうみん
)
にして
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
あたかもそのとき、ピエトロ・バグリオーニ教授は窓から覗いて、勝利と恐怖とを
混
(
こん
)
じたような調子で叫んだ。彼は雷に撃たれたように驚いている科学者にむかって、大きい声で呼びかけたのである。
世界怪談名作集:08 ラッパチーニの娘 アウペパンの作から
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
漬
(
つ
)
けた
玉菜
(
たまな
)
や、ランプの
燻
(
いぶり
)
や、
南京虫
(
なんきんむし
)
や、アンモニヤの
臭
(
におい
)
が
混
(
こん
)
じて、
入
(
はい
)
った
初
(
はじ
)
めの一
分時
(
ぷんじ
)
は、
動物園
(
どうぶつえん
)
にでも
行
(
い
)
ったかのような
感覚
(
かんかく
)
を
惹起
(
ひきおこ
)
すので。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
是等諸種の摸樣は
通例
(
つうれい
)
彼此
(
ひが
)
相
(
あい
)
混
(
こん
)
じて施され居るなり。彩色には
總塗
(
そうぬ
)
り
有
(
あ
)
り、畫紋有り、兩種を合算するも其數甚少し。色は何れも赤なれど其内に四五種の別有り。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
「親分、こんな
混
(
こん
)
がらかつた殺しも始めてですね。——まだ下手人の見當はつきませんか」
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
水に足をひたされて、ハッとわれにかえれば、これは
野陣
(
のじん
)
の人々の
飲料水
(
いんりょうすい
)
である。
反間
(
はんかん
)
の
敵
(
てき
)
に
毒
(
どく
)
を
混
(
こん
)
じられないようにわざと、
花壺
(
はなつぼ
)
に見せかけておいた
生命
(
いのち
)
の水にちがいない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と
云
(
い
)
つて、それが
第
(
だい
)
三
紀
(
き
)
層
(
そう
)
に
屬
(
ぞく
)
する
舊貝塚
(
きふかひづか
)
(といふも
變
(
へん
)
だが)とも
思
(
おも
)
はれぬ。
何故
(
なぜ
)
ならば、
灰
(
はい
)
を
混
(
こん
)
じて、
細密
(
さいみつ
)
に
碎
(
くだ
)
かれたる
貝殼
(
かひがら
)
が、
貝層中
(
かひそうちう
)
に一
線
(
せん
)
を
畫
(
かく
)
して、
又
(
また
)
層
(
そう
)
を
成
(
な
)
して
居
(
ゐ
)
るからである。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
混
常用漢字
小5
部首:⽔
11画
“混”を含む語句
混雑
混合
混入
混凝土
混血児
混乱
混々
混和
混沌
混雜
混同
混交
入混
混淆
人混
混亂
混返
混合酒
打混
混多
...