“濃茶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こいちゃ37.5%
こいちや37.5%
こげちゃ12.5%
のうちや12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、濃茶こいちゃの茶碗が、太閤から、順に呑み廻しに移ってくるうちに、刑部は、その茶を一唇ひとくちふくみながら、たいへんな粗相をしてしまった。
大谷刑部 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なんなりともかなひたるを、あくまでしよくすべし」と強附しひつけ/\、御菓子おんくわし濃茶こいちや薄茶うすちや、などを籠中かごのなかところせまきまでたまはりつ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
濃茶こげちゃに染めた縮緬ちりめんのなかに、牡丹ぼたんか何かの模様をたった一つ丸く白に残したその敷物は、品柄から云っても、また来客を待ち受ける準備としても、物々しいものであった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ちゝこんぜざる濃茶のうちやよろこび、みづらざる精酒せいしゆみ、沈鬱ちんうつにして敢爲かんいかた國立こくりつ宗教しゆうきようし、ふか祖先そせんげふおもんず、工業こうげうはなはさかんならざるがゆゑ中等社界ちうとうしやくわいそんするところおほくは粗朴そぼくなる農民のうみんにして
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)